モータの鳴らし方byHanDen

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KiCad編 第7回 プリント基板エディタPcbnewの使い方 その3

2019/12/25
KiCad5対応の記事を公開しました。
http://blog.handen.net/archives/21338893.html
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前回までで部品の配置が完了して、残る最大の作業は配線となりました。配線が終わると回路自体は動作可能となりあとは基板を固定する穴やロゴなどの配置とリファレンスの配置の見直しなどで基板の作成は完了となります。

 

まずは、良い配線を引くコツのお話を少しだけします。

フットプリントの配置と同じように配線にもつなぎ方に良し悪しがあり、配線が悪いと電流が流れたときに配線が破壊されたり、配線同士でノイズを拾ったりなどの問題が発生することがあります。初心者ながらにも配線で守ると良いことについて紹介します。

・電源ラインやGNDラインなど電流が多く流れる配線はほかの配線に比べて太めに設定する。

・配線はできるだけ短くする

・通信線同士を長い距離にわたって近づけすぎない

・電位差が大きい配線同士は配線間の距離を広めにとる

VVVFの主回路と論理部の間など絶縁している個所同士で配線を入り組まないようにする

VVVFの主回路など大電流が流れる個所は配線を太めにとる。また電流が特に大きい場合は表面にはんだを塗れるようにレジストを除去する

・ビアを使う数は少なくなるようにする

この中で配線幅や電圧に対する配線間隔についてはKicadPcb calculatorで確認することができるので必要に応じて使ってください。

また、高周波回路の場合はほかにも注意しなくてはならない点が多数出てきますので注意してください。

 

それでは、配線を始めていきましょう。

基本的に筆者は、配線は手動で行っているのでとりあえずは手動での配線方法を紹介したいと思います。手動での配線のメリットとしては

・回路図で接続を間違えている箇所があっても配線接続時に見つかる可能性が高い

・電気的特性を考えながら配線ができる

といったことがあります。

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配線を始めるにあたって、まずは「配線とビアを追加」(図13)をクリックして配線をするモードに入ります。

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続いてレイヤーの選択をします。配線個所に応じて表と裏を使い分けてください。

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レイヤーの選択ができれば、配線を始めます。配線を開始したいパッドをクリックすると配線が開始され、接続先のパッドが図のようにハイライト表示されます。配線をハイライト表示された接続先につなぎクリックすると配線の接続が完了します。なお、配線幅については前回紹介したデザインルールで設定を行ってください。

配線の途中で問題が発生した際など配線の接続を中止したい場合はキーボードの「Esc」キーを押すと作業の中止ができます。(配線以外にも各種移動なども同様に中止できます)

また、接続先でないパッドや配線などと新たに引く配線の間隔が狭い場合は画面下部に以下のようなDRCエラーが出て接続ができません。その場合はパッドやほかの配線から距離を離して配線を引き直します。

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上が接続先でないパッドと近い場合のエラーで、下がほかの配線に近い場合のエラーです。

 

続いて配線で使う機能を個別に紹介していきます。

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配線やフットプリントの配置の基準となる、グリッドの間隔は上部のグリッド(図参照)部から選択できます。必要に応じて切り替えて使ってください。


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配線の経路を指定したい場合は経由したい地点をクリックすると、配線がクリックした個所を通るように配置されます。基本的にこの機能を使わないと配線を行うことはできない非常に重要な機能です。

 
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配線の途中で、配線を基板の表から裏、裏から表に移動させたい場合はビアを配置します。ビアの配置は配線を行っている途中で、ビアを置きたい場所でキーボードの「V」キーを押します。(ビアを配置したい場所で右クリック、「貫通ビアを配置」(下図←)でも可) するとビアが配置され配線のレイヤーも自動的に表から裏、裏から表に移動し、逆の面で配線を続けることができます。
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配線の経路指定やビアの配置を繰り返して配線作業を進めていきますが、途中で既存の配線が邪魔で新たな配線を引けなくなる場合もあります。その場合は既存の配線を一旦削除したうえで、新しい配線と既存の配線を引き直します。配線の削除は3種類の方法があります。それは「配線を削除」と「セグメントを削除」と「ネットを削除」です。それぞれ以下のような機能を持ちます。

配線を削除:パッドとパッドの間の配線全体を削除します。ただし、3つ以上のパッドをつないでいる配線の場合は削除操作をしていないパッド間の配線は残ります。

セグメントを削除:配線の角やビアの間の一直線区間(セグメント)のみを削除します。配線全体を削除する必要がなく一部分のみ削除したい場合に使用します。

ネットを削除:ネットで接続されたパッド間のすべての配線を削除します。配線時にハイライト表示されているパッド同士を結んだ配線をすべて削除したい場合などに使えますが、基本的に使うことは少ないと思います。

状況に応じてこの3つの削除機能を使い分けます。使用方法は削除したい配線(セグメント)を右クリック、「削除」から状況に応じて「セグメントを削除」「配線を削除」「ネットを削除」を実行します。
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また、配線を切断したい所で、右クリックの「配線を切断」をするとセグメントの分割が可能ですので必要に応じて使ってください。

なお、右ツールバーの削除(図18)で配線の削除を実行する場合は「配線を削除」と同等の削除になります。

 

また既存の配線を移動させたり、配線済みのフットプリントを移動して、引けない配線を引けるようにする場合もあります。

まずは、配線の角を移動させる方法です。配線の角にカーソルを置いた状態で「M」キー(右クリック「ノードを移動」(下図←)も可)を押すと、「明示的な選択」メニューが表示され、移動する配線のセグメントを聞かれます。角を移動する時は2つのセグメントが同時に動くのでどちらを選んでも問題ありません。ですので、2つの中から好きな方を選択します。(別の面の配線が重なって3つ配線が表示される場合は移動したい面の配線を選ぶ必要があります。)
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カーソルで配線の角の位置を動かせるので、角を移動したい場所に動かして、クリックすると配線の角の移動の確定ができます。この角の移動を複数回繰り返して配線自体の移動もできます。基本的に配線の移動はこのやり方で行えると思います。(筆者はこの方法で配線の移動をしています。)

次に配線のドラッグです。こちらは移動したいセグメントの角度、長さを固定したまま、配線を移動させる機能です。方法は移動したいセグメント上にカーソルを置いた状態で「G」キーを押します(または右クリックで「セグメントのドラッグ移動」(下図←)も可)
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配線を動かせるようになるので、配線を移動させたい位置に動かし、クリックしてドラッグを確定させます。ちなみに、右クリックメニューで「セグメントのドラッグ移動(角度保持)」を選んだ場合は配線の長さは保持されず、角度のみ保持しながらドラッグ移動ができるので必要に応じて使い分けてください。

後で紹介したドラッグ移動は癖が強くて使うのは比較的難しいと思います。ですので、基本的には先に紹介した角の移動で配線を移動することをお勧めしますが、必要に応じて使い分けるといいと思います。配線の移動関係はほかにもいろいろなメニューがありますがあまり使うことがないと思うので紹介はしません。(筆者も使ったことがないです)

 続いてフットプリントの移動です。

フットプリントの移動は回路図エディタの時と同じ挙動をします。「移動」はフットプリントのみが動き、接続済みの配線は動かずそのまま残るため、結果として配線の接続が解除されます。「ドラッグ」はフットプリントと接続済みの配線が同時に動き接続が維持されます。

使用方法は「移動」は前回のフットプリントの配置の際の「移動」と同様です。「ドラッグ」はカーソルをドラッグしたいフットプリントに置いた状態で「G」キーを押します。(右クリック「フットプリント〇〇」「ドラッグ」も可)
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フットプリントを移動できる状態になるので、フットプリントを目的の場所に移動させて、クリックすることでドラッグを確定させます。

 

これらの操作を繰り返して、すべての配線を接続していきます。
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全ての配線の接続が完了すると下部に表示されている、「未配線」の数が0になります。
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この表示を確認出来たら配線作業は完了です。これにて最低限動作する基板は出来上がったことになります。

 

次に基板を固定する穴の配置を行います。

基板の固定穴を回路図であらかじめ入力して、ネットリスト読み込みの段階で固定穴も配置していた場合はこの手順を使う必要はありません。ここでは、ネットリストに入力していない固定穴やロゴなどの配置方法を紹介します。

まずは右側ツールバーの「フットプリントを追加」(図12)をクリックしてフットプリントの読み込みモードに入ります。固定穴(ロゴ)を配置したい場所でクリックしてフットプリントのロード画面に進みます。
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「フットプリントをロード」画面の右下の「ブラウザで選択」(図中→)をクリックしてライブラリブラウザを開きます。
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Mountig_Holes」ライブラリの中から使用したい固定穴を選択して、ダブルクリックするとプリント基板上に固定穴が配置されます。2回目以降は「フットプリントをロード」画面の履歴から選択すると楽です。また、ロゴを配置する場合は「Symbols」ライブラリを使用します。(「ライブラリをロード」画面で部品名から検索することも可能ですがわかりにくいので省略します。)

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これにて回路の固定穴の配置が完了です。

ちなみに、この方法で回路部品のフットプリントの配置もできますが、ネットがなく配線ができない(DRCエラーが出る)ので、回路部品のフットプリントの配置には使えません。

ここまでくると、残る作業は基板表面に印刷される「シルク」の文字の配置や、部品名の配置の最適化と外形線の確定、データの確認、出力作業です。

KiCad編 第6回 プリント基板エディタPcbnewの使い方 その2

2019/12/25
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前回はデザインルールの設定まで紹介しましたが、今回はその続きであるネットリストの読み込みから始めていきます。

 

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上部のツールバーの「ネットリストの読み込み」(図1の↓6)をクリックして「ネットリスト」を開きます。

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初回のネットリスト読み込みの際は特に設定の変更をせずに、右側の「現在のネットリストを読み込む」(図の→)をクリックしてネットリストの読み込みを始めます。
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ネットリストの読み込みをする際に、変更ができないというメッセージが表示さるので「OK」をクリックします。(ネットリストを読み込んだ後は、読み込む前に戻ることもできませんので注意してください)回路図エディタでフットプリントを正しく設定していた場合は特にエラーがなく終了します。

回路図エディタで正しくフットプリントの設定ができていない場合、「メッセージ」に下図のようなエラーが表示されます。この場合、Eeschemaでエラーが表示されたコンポーネントのフットプリントの設定を修正して、再度ネットリストを出力し、Pcbnewで読み込みをします。
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次に、基板作成中の仕様変更などでネットリストを再度読み込むときの設定方法を紹介します。
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一度目にネットリストを読み込むときは各種設定の変更は必要ありませんでしたが、再度読み込む場合は、状況に応じてそれぞれの設定を変更する必要があります。

フットプリントの選択:仕様変更を行ったあと、回路図エディタでアノテーションを削除して再度アノテーションを実行した場合などリファレンス(部品の番号)が変更された場合「タイムスタンプ」を選択する必要があります。

フットプリントの交換:回路図エディタで部品のフットプリントの変更を行った場合は「変更」を選択する必要があります。

未接続配線:配線の接続先が変わった際に以前に配線されていた配線を削除する機能です「削除」にすると接続が変わった配線が削除されますが、状況次第で削除されない場合もあります。

ネットリストに無い部品:仕様変更により回路図から削除されるなどネットリストから消えた部品を削除する場合は「削除」を選択します。ただし、固定穴などPcbnew上で追加した部品も削除されるので注意する必要があります。ただし、後述の「フットプリントのロック」を行った場合は削除されません。

孤立したパッドやネット:配線が接続されず孤立してしまったパッドのネットを削除する機能ですが使うことはないと思うのでそのまま「保持」にしておきます。

状況に応じてこれらの設定を使い分けたうえで「ネットリストの読み込み」を実行するようにしてください。間違えた場合は非常に手間がかかることになるので注意が必要です。

 

ネットリストの読み込みが完了すると、下図のように読み込まれたフットプリントが固まって表示されます。このままでは作業しにくいのでまずはフットプリントの展開を行います。
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まずは、フットプリントモード(図1の↓9)をクリックしてフットプリントの自動配置の機能を有効化します。

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次に何もないところで右クリックをして「グローバル移動/配置」、「全てのフットプリントを展開」(図の←2)をクリックして、フットプリントの展開を実行します。
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基板上のロックしていないフットプリントも移動されることを確認するメッセージが表示されるので「OK」をクリックします。

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するとこのようにフットプリントが展開されて部品の選択が行いやすくなります。

 

また、「全てのフットプリントをロック,アンロック」(先ほどの図の←1)を実行すると、フットプリントのロックおよびアンロックが可能です。フットプリントをロックすると手動と自動両方での移動が一切できなくなるほか、ネットリスト読み込みでネットリストに無い部品を削除する機能で削除されなくなります。ただし、手動での削除は制限がかかりません。また、各フットプリントを右クリックして「フットプリントをロック」(下図←)をすると個別にフットプリントのロックが可能なので、移動したくないパーツのみにロックをかけることも可能です。(ロックしているパーツの場合は「フットプリントをアンロック」になります)
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「グローバル移動/配置」のメニューには自動配置の機能もありますが、全然きれいに配置されないので使い物になりません。

フットプリントの「グルーバル移動/配置」の機能は大体この程度です。

 

次はフットプリントの配置へと進みます。

フットプリントの配置で使う機能は基本的に「移動」と「回転」と「裏返し」程度で使う機能自体は非常に少ないです。しかし、この配置が基板のすべてを決めるといってもいいくらい重要な項目で、出来上がった基板の見栄えやはんだ付けの難易度、配線の難易度などが大きく変わってしまいます。このことを考えたうえで適切な配置をする必要があります。

「移動」と「回転」は回路図エディタと同じ方法で実行できますが、ここでも復習しておきましょう。

移動は、カーソルを移動したい部品の上に置いたうえでキーボードの「M」キーを押す(または右クリック、「フットプリント〇〇」「移動」を実行する)と移動が始まります。フットプリントを移動したい移動先に移動させたら、その位置でクリックして移動を完了させます。(キーボードは半角モードにしていないと反応しないので注意してください)
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回転はカーソルを回転したい部品の上に置いたうえでキーボードの「R」キーを押す(または右クリック、「フットプリント〇〇」「左に回転」を実行する)で左向きに90度回転します。(右クリックで「右に回転」を選んだ場合は右に90度回転)また、移動中に「R」キーを押して回転させることも可能です。この場合連続して回転させることもでき便利です。筆者は基本的に移動中に回転を行っています。

裏返しは両面基板において、部品を基板の表面に実装するか、裏面に実装するかを選ぶ機能です。初期の状態では表面に部品が配置されていますが、「裏返し」をすることで裏面に部品を配置することができます。方法は、カーソルを裏返したい部品の上に置いたうえでキーボードの「F」キーを押す(右クリック、「フットプリント〇〇」「裏返す」)(移動中に「F」キーを押しても実行可)と部品が裏返されて、部品の枠線などの色が裏面の色に変わります。(特に目立つのは黄の線→赤の線(下図上が表・下が裏)です。)
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これで部品が裏面に配置されました。もう一度裏返しをすると部品は再び表面に戻ります。しかし、容易に部品を裏返しにすると実装などで苦労する場合があると思うので注意してください。

 

これらの操作を繰り返して、基板上に部品を配置していきます。ここで素人ながらにも部品配置のコツを紹介したいと思います。

・回路図の配置に近い形でフットプリントを配置する

・部品同士の間はぴったりでなく少しゆとりを設ける(実際の部品で大きさが確認できる場合を除く)

ICやコネクタなど配線が多い部品の近くには場所のゆとりを大きめに設ける

・同じような部品を並べる場合は配置をパターン化する

・コネクタはできるだけ外周に寄せる

このようにすると比較的きれいで配線をしやすい部品配置になると思います。

 
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上に書いたことをある程度考慮して配置した基板がこのようになっています。

部品の配置が終了したら次は部品同士を接続する配線へと進みますが、これを書くと長くなるので次回とします。

KiCad編 第5回 プリント基板エディタPcbnewの使い方 その1 

2019/12/25
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前回までは回路図を描く方法を紹介してきましたが、今回からはついにプリント基板を描くソフトウェア
Pcbnewを紹介していきたいと思います。このPcbnewKiCadを使うメリットが最も生きる個所と言えるでしょう。主なメリットを箇条書きで紹介したいと思います。

・製作中の基板の完成イメージの3Dビューが見られるのでモチベーションが保ちやすいほか、部品の干渉対策やデザイン等にこだわることができる。

・回路図で接続していない個所を誤って接続することや、回路図で接続した所を接続し忘れることがない(エラーが出る)

・配線を始めると接続先がハイライト表示されて配線をしやすい

・基板製造会社のデザインルールを設定すれば、デザインルールに違反する配線ができない

・部品を移動するなどでデザインルールに違反する箇所が出た場合でもDRCを通すことで問題個所を発見できる。

・押しのけ配線などの便利な配線機能がある。

・自動配線が使用可能

ざっとこんな感じで便利な機能がたくさん搭載されています。

 

便利機能の紹介はこの程度にしておいて実際にプリント基板を作っていきましょう。
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今回は図の↑3Pcbnew」を開きます。
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起動するとこのような黒い画面が表示されます。今回は紹介するメニューが非常に多いのでツールバーを3つに分けて機能を紹介します。

まずは上部のメニューから
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1:ページ設定 プリント基板エディタの全体のサイズを設定します。プリント基板でA4を超えることはまずないと思うので、基本的にはそのままで大丈夫です。

2:プロット プリント基板製造会社に送るデータを生成する機能です。

3:現在のスクリーンを再描画 フットプリントのデータを変えたときなどに表示をすぐに反映させる機能です。基本的には自動で反映されるので使うことはないと思います。

4:スクリーンに合わせてボードをズーム 拡大しすぎたときや縮小しすぎて現在の場所がわからなくなった時に拡大率を初期の状態に戻す機能です。

5:現在の基板からコンポーネントとテキストを検索 基板上のパーツやテキストを検索する機能です。

6:ネットリストの読み込み 回路図エディタで出力したネットリストを読み込む機能です。

7:デザインルールチェックの実行 設計した基板がデザインルールに反していないかを確認する機能です。

8:レイヤー選択 基板の表裏の配線や基板印刷などのレイヤーを切り替える機能です。

9:フットプリントモード フットプリントを自動で展開、配置する機能を有効にするボタンです。

10:配線モード 自動配線を有効にする機能です。あんまり使わない機能です。

11:外部ルータFreerouterとのデータ交換 外部の自動配線ツールとデータを交換する機能です。

12:Pyhonスクリプトコンソールの表示/非表示 スクリプトを実行するためのコンソールの表示非表示を切り替える機能です。ここではスクリプトについては紹介しません。

 

次に左側のメニューです。ここは主に表示関連のメニューが多いです。
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1:デザインルールチェックを無効(有効)化 デザインルールに違反した配線を引くことできなくするリアルタイムDRCの機能の有効無効を切り替えるボタンです。理由がない限り使うことはありません。通常はこのDRCを有効状態(画像のように選択されていない状態)にします。

2:グリッドを非表示(表示) 画面のグリッドの表示非表示を切り替える機能です。グリッドがない状態は作業しにくいので通常は有効にしておきます。

3:mm(inch)単位 表示の単位を切り替える機能です。日本では基本的にmm単位で使われるのでmm単位を選択しておきます。

4:ボードのラッツネストを非表示(表示)  配線が未接続のコンポーネントの接続先同士を結ぶ線(ラッツネスト)の表示非表示を切り替える機能です。

5:フットプリントのラッツネストを非表示(表示)  コンポーネントの移動中のラッツネストの表示非表示を切り替える機能です。

6:古い配線の自動削除を無効(有効) 配線を新たに引き直した際に、以前接続されていた古い配線を自動的に削除するかしないかの切り替えです。必要に応じて切り替えて使います。

7:ゾーンの塗りつぶしを表示(非表示、アウトラインで表示) ゾーン(ベタグランドなど基板のパターンを面で作る箇所)の表示の切り替えです。好みや必要に応じて使い分けます。

8:アウトライン(塗りつぶし)モードでパッドを表示 パッドの表示をアウトラインモード(パッドのふちのみ表示)と塗りつぶしモードで切り替える機能です。基本的に塗りつぶしモードの方が見やすいと思います。

9:アウトライン(塗りつぶし)モードでビアを表示 ビアの表示をアウトラインモード(パッドのふちのみ表示)と塗りつぶしモードで切り替える機能です。

10:アウトライン(塗りつぶし)モードで配線を表示 配線の表示をアウトラインモード(パッドのふちのみ表示)と塗りつぶしモードで切り替え機能です。塗りつぶしモードの方が見やすいです。

11:ハイコントラスト表示モード 画面の表示の色合いを変える機能です。基本的に使わないと思います。

 

続いて左側のメニューです。ここは基板の中身の編集系のメニューが主です。
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1:ネットをハイライト 任意のパッド・配線を選択すると配線で接続されるべきパッドがすべてハイライト(強調)表示される機能です。

2:フットプリントを追加 回路図に無い部品を追加する機能です。主に固定用の穴やロゴなどを追加するときに使います。

3:配線とビアを追加 部品のパッド同士を接続する配線を行う機能です。

4:塗りつぶしゾーンを追加 ベタグランドなど基板全体または一定の範囲を銅箔で覆いたいときに使います。

5:キープアウトエリアを追加 部品や配線を配置することを禁止するエリアを設定する機能です。

6:図形ライン(円、円弧)を追加 基板上に図形を配置するときや基板の外形線の描くときに使います。

7:銅体層または図形層にテキストを追加 基板上に文字を配置したいときに使用します。

8:アイテムを削除 フットプリントや配線を削除するときに使用します。

9:ドリルファイル、実装ファイルの原点を設定 業者に注文するデータの原点を設定する機能です。

10:グリッドの原点を設定 画面上のグリッドの原点を設定する機能です。

 

アイコンだけでもかなりの数がありましたが、このほかにもメニューから使う機能もあってかなり複雑です。ですので、プリント基板の作成の手順は複数回に分けて紹介していきたいと思います。

 

まずは基板の大きさを決めて、基板の外形線を描きます。

まずはレイヤーを「Edge.Cuts」に変更します。
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画面右側の図のようなレイヤー表示部の「Edge.Cuts(図←)の右側の青い▶が表示された箇所(図の↑と←の交点部)をクリックするとレイヤーが切り替わります。(ほかのレイヤーに切り替える場合も同様に各レイヤー名の左の空白(↑の列)をクリックします)(上部のメニューからの切り替え(図3の↓8)も可能)

 

続いて外形線を引いていきます。外形線は直線だけでなく、曲線などを組み合わせた複雑な形にすることは可能ですが、この段階では部品を配置際の目安として引く程度ですので、基本的に直線だけで大まかな寸法で描きます。(この時点では業者の規定サイズ(同じ価格で製造できる最大サイズ)に設定するのがよいと思います。)

まず、図5の←6の一番上のツール(図形ラインを追加)をクリックして直線を描くモードに切り替えます。カーソルが鉛筆に変わったことを確認して、外形線を引き始めたい場所でクリックして、外形線を引き始めます。その際、画面右下部のカーソル座標を覚えておきます。
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カーソル座標を確認しながら、外形線の角にしたい場所でクリックします。すると外形線の一辺が作成されます。四角形のほかの辺も同様に描き、4辺すべてが描き終わる箇所(外形線の開始地点と同じ場所)でダブルクリックをして、外形線を確定させます。(ダブルクリックすると引いた線が確定される仕様なので、外形線の途中でダブルクリックをして一旦確定させて、再度終端地点から線を引くなど複数回に分けて描くことも可能です)7

図のように黄色の線の四角形ができていれば、外形線は描けています。

 

次にデザインルールの設定を行います。基本的にKiCadで作成したデータは基板製造の業者に注文することが多いと思いますが、基板製造には最低限守らなくてはいけない設計ルールがあり、それをデザインルールといます。デザインルールには最低の配線幅や配線間隔、最低のビア径などがあります。ここではその設定方法を紹介します。

まずは、「デザインルール」メニューの「デザインルール」(下図←)からデザインルールエディターを開きます。
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デザインルールエディターの上部の「ネットクラス」の中に初期状態ではクリアランスが0.2mm 配線幅が0.25mm ビア径が0.6mm ビアドリルが0.4mmに設定されています。このうちクリアランスには配線同士の間隔(隙間)とビアや穴同士や配線との間隔をすべて一括にくくったものになっています。「マイクロビア径」と「マイクロビアドリル」については4層とかの基板にならない限り使うことはないので気にする必要はありません。

ここに業者のデザインルールを入力していきますが、業者のデザインルールギリギリではうまく製造されない可能性があるので少々ゆとりを持った値を入力しておきます。推奨のデザインルールが定義されている場合はその値を入力するとよいでしょう。Elecrowに注文する場合は、「クリアランス」は0.203、「配線幅」は0.203以上の自分の希望する配線幅、「ビア径」と「ビアドリル」はデフォルトのままにしておきます。

また、電源ラインなどで配線幅を変えたい場合は配線ごとにデザインルールを設定することが可能です。
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デザインルールエディターの中ほどの「追加」(図中↑)をクリックしてデザインルールを追加します。すると「新規ネットクラス名」が表示されるのでその中に追加するデザインルールの名前(正式にはネットクラス名と言います)を入力します。
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すると先ほどの図のようにデザインルール複数設定できるようになります。新しいデザインルールには設定したい配線幅などを入力しておきます。

次に新たなデザインルールを設定する配線を選びます。「メンバーシップ」の右側(左でも可)のドロップダウンリスト(先ほどの図の→)から新たなデザインルール(変更先)を選択します。
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そして、新しいデザインルールを設定したい配線を左の配線一覧から選び、「>>>(図の←)をクリックして新しいデザインルールに変更します。変更したい配線が右側のリストに入り、クラスが変更先のデザインルール名になっていることを確認します。図では「GNDPWR」の配線が「power」のデザインルールに変更されています。

このように配線ごとに配線幅を変更することが可能です。しかし、太くする配線の名前(ネット名)を調べるのは大変です。そのため手動配線に限りますが、電源ラインなどから順番に配線を行っていき、配線幅を変更したくなった時に「デザインルールエディター」を開き、都度配線幅を変更することでいろいろな幅の配線を引くことが可能です。あくまでこのデザインルールはこれから引く配線について設定しているので、このような技が可能なのです。ちなみに、筆者はこの方法で配線をしています。

 

今回はこの程度にしておきましょう。次回はネットリストの読み込みから始めます。

KiCad編 第4回 回路図エディタEeschemaの使い方 その3 ピン設定の変更

2019/12/25
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今回は前回のPCB Parts Library からダウンロードしたコンポーネント(回路図の部品)のピン設定が「不特定」になっていて、ERCを通した際にエラーとなる現象を改善する方法を紹介します。

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まずは、図の↑2のコンポーネントライブラリエディタを起動します。

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2 起動画面

起動するとこのような真っ白な画面が表示されます。(前回に何も編集していなければ)

表示されているアイコンで今回使いそうなものを軽く紹介します。

1:作業ライブラリの選択 複数あるライブラリから自分が編集したいライブラリを選ぶ機能です。

2:新規コンポーネントを作成 ライブラリに存在しない部品を新たに作る時に選択します。

3:現在のライブラリからコンポーネントを読み込む 現在開いているライブラリの中にあるコンポーネント(部品)を開くときに選択します。

4:現在のものから新規コンポーネントを作成 現在画面に表示されているコンポーネントを新たな名前を付けて別のコンポーネントとして保存する機能です。名前を付けて保存に相当する機能と思えばよいと思います。

5:現在のライブラリ内の現在のコンポーネントを更新 ↑3で開いたライブラリを編集して上書きするときに使います。上書き保存に相当する機能です。

6:新しいライブラリへ現在のコンポーネントを保存 現在開いているコンポーネントを新たなライブラリファイルに保存する機能です。

7:重複ピンとグリッドから外れたピンのテスト 名前の通り同じ番号のピンが重複していないか、またグリッドから外れたピンがないかをチェックする機能です。

8:コンポーネントにピンを追加 作成中のコンポーネントに新たなピンを追加する機能です。

9:コンポーネントのボディーに矩形を追加 コンポーネントの枠(形)を描く機能です。

 

それでは、本題のピンの設定変更の手順を紹介しましょう

まずはピン情報を編集するライブラリを選ぶために、図2の↑1で示した「作業ライブラリの選択」をクリックして、ライブラリの選択画面に入ります。

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今回編集するのはPCB Parts LibraryからDLしたデータなので「SamacSys_Parts」(図の←)を選択して「OK」をクリックしてライブラリを選びます。

次に編集するコンポーネントを選ぶために、図23の「現在のライブラリからコンポーネントを読み込む」をクリックして、コンポーネントの選択画面に入ります。

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表示されたコンポーネントの中から編集したいコンポーネントを選択して「OK」をクリックしてコンポーネントの選択を完了させます。

 

すると編集するコンポーネントが表示されます。
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この中からピン情報を編集したいピンにマウスカーソルを合わせて「E」キーを押すか、右クリック、「ピンを編集」と進み。ピンのプロパティーを開きます。

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図の←で示した「エレクトリックタイプ」をそれぞれの端子に応じた、設定に変更します。マイコンの場合IO端子は基本的に「双方向」、電源端子は「電源入力」にすればよいと思います。特にピンの機能を特定できない場合は「パッシブ」にしたらいいと思います。そして「OK」をクリックして設定を完了させます。この設定をすべての端子で行います。(一部初期で設定されている端子もあります)

 

設定ができたら図2の↑5の「現在のライブラリ内の現在のコンポーネントを更新」をクリックしてライブラリに変更した情報を保存します。この際、変更の確認メッセージが出るので「OK」をクリックします。
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もし、ピン設定を変更したコンポーネントを別の名前で保存したい場合は、図2の↑4「現在のものから新規コンポーネントを作成」をクリックして別名保存の画面に進みます。

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「テキスト」(図←)に保存したいコンポーネントの名前を入力して「OK」をクリックします。

そして、「Ctrl+s」または「ファイル」メニュー,「現在のライブラリを保存」でライブラリを上書き保存します。ここでも先ほどと同様に変更のメッセージが出るので「OK」をクリックします。
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これで、ピン情報の変更作業は終わりです。

 

最後に簡単に新たなコンポーネントの作成方法を紹介しておきましょう。

まずは、新たなコンポーネントを追加したいライブラリを、先ほどと同じ手順で選びます。

次に図2の↑2「新規コンポーネントを作成」をクリックして新規コンポーネントの作成画面に入ります。
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コンポーネント名と回路図やプリント基板に印刷されるリファレンス名を設定して「OK」をクリックします。

すると、グリッドのみの画面が表示されるので図2の→9やその下3つの「ボディーに〇〇を追加」のメニューを使いコンポーネントの外形を描きます。また、描いた外形線上にカーソルを置き「E」キーを押すか、右クリック「〇〇のオプションを編集」(下図←)をクリックして〇〇図形のプロパティーに入ると塗りつぶしの設定ができます。初期設定では「全面色で塗りつぶし」を選択すると外形線の色、「背景色で塗りつぶし」を選択すると黄色で塗りつぶすことができます。必要に応じて使ってください。(設定メニューの「色の設定」で色を変えることもできます)

6-1
6-2

 

外形が描けたら、図2の→8「コンポーネントにピンを追加」をクリックして、ピンを追加するメニューを開きます。
7

ピン名にはピンの名前、ピン番号にはピン音番号(数字)、角度はコンポーネントの左に出るピンは「右」、右に出るピンは「左」、上に出るピンは「下に」下に出るピンは「上に」を選びます。エレクトリックタイプは先ほどと同じ要領で設定します。そして「OKをクリックすると、カーソルの先端にピンがくっついた状態になるので、ピンを設置したい場所でクリックして、ピンを固定します。〇がついている方がピンの先になるということには注意してください。この作業をすべてのピンが設置できるまで繰り返します。

すべてのピンが設置できたら、図2の↑7「重複ピンとグリッドから外れたピンのテスト」を実行し、エラーが出ないことを確認します。

最後に図2の↑5の「現在のライブラリ内の現在のコンポーネントを更新」をクリックしてライブラリにコンポーネントを保存します。この際、変更の確認メッセージが出るので「OK」をクリックします。

そして、「Ctrl+s」または「ファイル」メニュー,「現在のライブラリを保存」でライブラリを上書き保存します。ここでも先ほどと同様に変更のメッセージが出るので「OK」をクリックします。

KiCad編 第3回 回路図エディタEeschemaの使い方 その2 PCB Parts Library の使い方

2019/12/25
KiCad5対応の記事を公開しました。
http://blog.handen.net/archives/21338893.html
一旦目次にリンクしますので読みたいページを選択してください。

今回は
KiCadをさらに強化できるツールである「PCB Parts Library」の設定方法を紹介したいと思います。このツールはフットプリントのダウンロード機能もありますが、回路図エディタに対して特に有効なのでこのタイミングで紹介したいと思います。

 

まずはGoogleなどで「PCB Parts Library」を検索または以下のURLに飛びます

https://www.rs-online.com/designspark/pcb-part-library-jp

1

図の→の「セットアップ&部品の検索」をクリックしてライブラリを入手するソフトのダウンロードページに進みます。
2

図の←の「LIBRARY LOADERをダウンロード」をクリックしてライブラリを入手するソフトをダウンロードします。

ダウンロードしたファイルを解凍し、中のインストーラーを実行します。

 3
4
今回も英語のインストーラーですが気にせず、「Next」で進みます。

5

インストール先を聞かれますが、特に変更する必要もないのでそのまま「Next」をクリックしてインストールを始めます。

6
インストールが終わったら「Close」で画面を閉じデスクトップの「Library loader」を起動します。

 7

起動したら、アカウントの登録画面が表示されるので、それぞれ入力します。
8

入力項目は以下の通りです。

Title:自分の敬称を選びます。MrMsDrの中から選べます。

First Name:自分の名前を入れます

Last Name:自分の名字を入れます。

Company:会社名を入れますが、個人の場合は適当に入れればいいです

Job Role:自分の職業を選びます。学生の場合はStudentsです。

County:自分の国を選びます。日本の場合はJapan |JPを選びます。

Email(User Name):自分のメールアドレスを入力します。これが次回以降PCB Parts Libraryにログインする時のユーザー名になります。

Password: PCB Parts Libraryにログインするパスワードを設定します。

Confirm Password:上のパスワードの確認入力なので上と同じものを入れます。

Public Alias: PCB Parts Libraryでの表示名です。公開されるかもしれないので個人情報は入れないほうがいいかもしれないです。

Your ECAD Tool: PCB Parts Libraryで使用するCADを選びます。今回はKiCadを利用するので KiCad EDAを選択します。

I agree to the Terms: 利用規約に同意するかの確認です。リンク先を確認して同意できるならチェックを入れます。
9

すべての項目が入力出来たら「Register」をクリックして登録を完了させます。しばらくしたら登録したメールアドレスにアカウントをアクティベートするメールが届くので、メールに書かれているリンクをクリックしてアクティベートしてください。

 

登録が完了したら下のような画面になります。10
この段階ではまだ設定が終わっていないので次の設定へと進みます。図の→の「Browse」をクリックしてライブラリの保存先の設定ウインドウを表示させます。

11

表示された「KiCad Settings」ウインドウの「Browse」(図の→)をクリックしてライブラリの保存先を設定します。基本的には自分のドキュメントフォルダーに保存用のフォルダーを作って指定するのがよいでしょう。

ここまで設定出来たら、Library loader上での設定は終わりです。

次はKiCadを起動します。
11-2

2のコンポーネントライブラリエディタを起動します。

12

「設定」メニューの「コンポーネントライブラリ」(図の←)からライブラリの設定画面を表示させます。

13

図の→の「追加」をクリックして、Library loaderで設定したライブラリの保存先を開き、「SamacSys_Parts.lib」を開きます。そして、下部の「OK」をクリックして設定を完了させます。
14

これで、回路図のライブラリの設定はできたので、コンポーネントライブラリを閉じます。
追記:新たなプロジェクトを作成した場合、コンポーネントライブラリの追加作業を毎回行う必要があるようです。

 

次にフットプリントのライブラリの設定を行います。
11-2
4のフォットプリントエディターを起動します。
15

「設定」メニューの「フットプリントライブラリウイザード」(図の←)をクリックして、フットプリントライブラリの追加ウイザードに入ります。
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「このコンピュータにあるファイル」が選ばれていることを確認したうえで、「Next」で次に進みます。

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Library loaderで設定したライブラリの保存先を開き「SamacSys_Parts.mod」を選び「Next」で次に進みます。

18

そのまま次に進みます。

19

インストールしたパソコンでずっと使えるように「グローバルライブラリとして設定」が選ばれていることを確認して「Finish」で設定を完了させます。これでKiCad側の設定は終わりです。

 

次にパーツのダウンロードの仕方を紹介します。

Library loaderを起動させ、下図の↑で示した「Search for Parts」をクリックします。
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Webブラウザが開き、ログイン画面が表示されるので、Library loaderの初期設定で設定したメールアドレス(ユーザ名)とパスワードでログインします。
21

ログインが完了するとこのような画面が表示されるので、探したい部品の型番を→のフォームに入力して、🔍マークを押すと、部品の検索が始まります。

22

検索が完了すると図のように一覧が表示されるので、自分が使用する部品をこの中から選び(主にパッケージの種類の選択になるとは思いますが)、←で示したオペアンプのアイコンをクリックして次に進みます。もし、使いたい部品が「Build or Request」となっている場合は、部品の作成のリクエストを送る画面になります。

23

まずは作成されている部品のダウンロード方法を紹介します。←の「FREE DOWNLOAN」をクリックしてダウンロードを実行します。ダウンロードが終わると自動的にLibrary loaderKiCadのライブラリに追加してくれます。追加が完了したら完了したとのメッセージが表示され、ダウンロードは完了です。(筆者の環境ではダウンロードを実行するとLibrary loaderが落ちる現象が発生しています。その場合はLibrary loaderを開きなおして「Open EPW File」からダウンロードしたzipファイルを開いてインストールをすれば使えるようになります)

その後、KiCadのコンポーネント一覧にダウンロードされた部品が追加されていることを確認してください。ただし、KiCadを起動した状態でダウンロードした場合はKiCadを再起動しないと反映されません。

 また、ここからダウンロードした部品の場合はフットプリントの設定があらかじめされているので、取り付け方を変更するなどがない場合は、フットプリントの設定は不要です。

 

次に部品の作成のリクエストの送り方です。
25

リクエストを送る部品を開き、赤色の←で示された「Package Category Pick One」をクリックして部品のパーケージの種類を選びます。
26

一覧から最も近いと思われるものを選び、そのパッケージをクリックします。近いパッケージが見つからない場合はOtherを選びます。
27

最後に←の「SUBMIT REQEST」をクリックして部品作成のリクエストを送信します。

 

PCB Parts Libraryは非常に便利なツールですが、まれにフットプリントなどのデータに間違いがあることがあります。そのため設計時には必ず使用する部品と穴間などが正しいかどうかを確認してください。

 

またPCB Parts Libraryからダウンロードした回路図の部品データでピンの設定が正しくされておらず、「不特定」となっている場合があります。その変更法は次回で紹介したいと思います。(前回の時に次回と言ったけど気にしない…)

KiCad編 第2回 回路図エディタEeschemaの使い方 その1 回路図を描くチュートリアル


2019/12/25
KiCad5対応の記事を公開しました。
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 前回は
KiCadのインストールとオフライン環境下で使用するための設定方法を紹介しましたが、今回からは本格的に基板を設計するお話をしていきたいと思います。

最初に、初期設定の時に紹介した方法(あの時は仮の名前で設定しました)で、プロジェクトを作成しておきます。

回路図1

まずは↑1の回路図のようなアイコンをクリックしてEeschemaを起動します。

回路図2
*2 起動画面

起動するとこのような画面が表示されます。表示されたメニューについて紹介します。

1:ページ設定 回路図のシートの大きさや製作者名などを設定できます。

2:回路図の部品をアノテーション 回路図を作成した後に各部品に番号を振る機能です。
3:エレクトリカルルールチェックの実行 描いた回路図に電気的な異常がないかどうかをチェックする機能です。

4:ネットリストの生成 描いた回路図を基板設計のツールに受け渡すデータを生成する機能です。

5:コンポーネントを配置 回路図の要となる回路の部品等の配置をするツールです。

6:電源ポートの配置 電源やGNDの部品の配置を行うツールです。

7:ワイヤーを配置 部品同士をつなぐ配線を描くツールです。

8:バスを配置 複数の配線をひとまとめにしてつなぐツールです。大規模な回路にならないと使うことはないと思うので紹介はしません。

9: 空き端子フラグを配置 マイコンやコネクタ等で使用せず空きになっている端子に取り付けるフラグです。エレクトリカルルールチェックでエラーが出ないようにするために使います。

10:ジャンクションを配置 ワイヤーの交点を接続する際に使用します。

11:グローバルラベルを配置 回路図でラベルを配置したい場合に使用します。同じ名前のラベルは回路図上で接続されたとみなされるので注意してください。

12:アイテムを削除 部品や配線等を削除したいときに使います。

それでは、回路図の作成にかかりましょう。

まずは製作する回路の規模に応じてページサイズを設定します。小さすぎると配置しにくくなるので少し大きめに設定しておくといいでしょう。あとから変更することもできるので最初はそのままでも大丈夫です。

回路図3

ページ設定ができたらまずは部品の配置していきます。

2の→5をクリックして部品の選択モードに切り替えます。カーソルが鉛筆に変わっていることを確認して、部品を配置したい場所で、左クリックをします。すると、「コンポーネントを選択」ウインドウが表示されるのでその中から、配置したい部品を選びます。

回路図4

種類別に分類されているのでその中から選べます。また、←の「フィルター」のところに部品名を入力して検索をかけることもできます。

回路図5
  ちなみに、KiCadのライブラリでは画像のように同じNchMOSFETでも端子の配置順に複数登録されているものがあります。この場合は必ずデータシートを確認して使用する部品に適合した部品を選択します。(使用する部品の型番ごとにピン配置が異なる場合があるためです)部品名で端子の配置順が区別できるほか、各ピンに振られている番号で区別することもできます。画像の場合は左側の端子からゲートドレインソースの順に並んでいるMOSFETを選択しています。

なお、抵抗器やコンデンサ、トランジスタやMOSFETなどはここに登録されている部品を使用できますが、IC類ではここでは登録されていない場合があります。その場合は部品を自分で作成するか、次回紹介するRSコンポーネンツが提供している「PCB Part Library」を利用します。

必要な部品を選択出来たら、「OK」をクリックして部品を図面に挿入します。

 

部品の挿入ができたら、次は部品の型番または定数とフォットプリントの設定を行います。「Esc」キーを押して通常モードに戻った後、配置した部品上にカーソルを置いた状態でキーボードの「E」キーを押すか部品を右クリック、「コンポーネントを編集」、「編集」(図中←)と進み、コンポーネントプロパティーを開きます。
回路図6-1

ここで、回路図上で部品の定数やほかの部品と重なって表示されている場合は下図のように「明示的な選択」というメニューが出てきます。今回設定するのはコンポーネントの設定なので、「コンポーネント〇〇」のほうを選びます。(複数の「コンポーネント〇〇」が表示された場合は編集したいほうを選びます。)これ以降で同様のメニューが出てきた時も操作したいほうを選んでください。
回路図6-2

回路図6
コンポーネントプロパティーが開いたら、まず、←1の「定数」の部分に型番または部品の定数を設定します。MOSFETなど部品では型番を抵抗器やコンデンサなどの場合は定数を入力するとよいでしょう。

次に←2の「フットプリント」を選び、右下の→3で示した「フットプリントの割り当て」をクリックして、フットプリントの選択画面に進みます。

回路図7

この中から、自分が使用する部品に適合したフットプリントを選択します。

探すライブラリはICの場合は「Housings」の中に、MOSFETやトランジスタなどの場合は「TO_SOT_Packages」、抵抗器やコンデンサ、ダイオードやコネクタなどはそれぞれの部品ごとに英語名でライブラリがあるのでそれを使用します。ちなみにライブラリ名でTHTとあるのはスルーホール部品で、SMDとあるのは表面実装の部品です。このライブラリの中から、抵抗器やコンデンサなど場合は部品の大きさやピンのピッチに適したものを、IC類やMOSFETやトランジスタの場合はデータシートに書かれた、パッケージの名前と同じ名前のフットプリントを選びます。(パッケージの名前が書かれていないときは、部品の大きさなどからGoogle検索等でパッケージ名を探し当ててください)

フットプリントは種類がかなり多いですが、必ず正しいフットプリントを選ぶようにしてください。間違えると基板が完成した時に部品が入らなくなってしまいます。

もしも、この中にフットプリントが存在しない場合は自分でフットプリントを作る必要があります。その手順は後の回で軽く紹介したいと思います。

正しいフットプリントが選べたら、フットプリント名をダブルクリックして、フォットプリントを確定します。すると、コンポーネントプロパティーに戻ります。そして、「OK」をクリックしてフットプリントの設定を確定させます。

 

部品の挿入とフットプリント・型番or定数の挿入の操作を繰り返して、設計する回路に必要なパーツをすべて回路図上に配置します。ちなみに、部品はコピーすることができるので、同じパーツが複数ある場合は、フットプリントを設定したあとでコピーをすると手順を大幅に減らすことができます。

コピーの方法は、コピーしたい部品上にカーソルを置いて「C」キーを押すまたは部品上で右クリック,「コンポーネントをコピー」(図中←)を選択をクリックします。
回路図8

すると、マウスカーソルの先端にコピーされたパーツがくっつくので、部品を置きたい場所で左クリックすると。部品を配置できます。

回路図9

図ではカーソルがないですが、コピー中のパーツは少し薄く表示されています。

また、部品を右クリックしたメニューの「コンポーネントの方向」の中には回転やミラーなどがあるので、必要に応じて使うとよいと思います。(回転はキーボードの「R」キーを押しても実行可)また、「コンポーネント〇〇を移動」を選択すると(またはキーボードの「M」キーを押しても実行可)部品の位置を移動することもできます。ドラッグに関しては現時点では使用する必要はありません。(移動と同じ)
回路図10

 

部品の配置ができたら、次は部品同士をワイヤーで接続していきます。部品配置が完全に終わる前でも、部品配置がある程度進んだ段階でワイヤーの接続作業に入ってもいいかもしれません。

2の→7をクリックしてワイヤーの接続モードに入ります。

回路図11

ワイヤーの接続モードに入ったら、↑で示したような各部品のピンの先端の未接続の印(〇又は□の印)の部分をクリックしてワイヤーの接続を始めます。

回路図12

続いて、ワイヤーの反対側を接続したい部品の未接続の印の上でクリックするとワイヤー(配線)が接続され、接続された箇所の未接続の印が消えます。ここで、印が消えていない場合は配線が接続されていないので、戻って再度接続を行います。

図のOUTタグの所などワイヤーを分岐する個所では、未接続の印の代わりにワイヤーの途中をクリックしてワイヤーをワイヤーに接続をします。この際に接続のジャンクション印(下図→1のような●印)が表示されていることを確認します。もし、接続したい交点でジャンクション印が表示されてないときは、図2の→10のジャンクションの配置モードに入り、接続したい交点上をクリックしてワイヤー同士を接続します。逆に接続しない箇所で誤ってジャンクション印が表示されている場合は図2の→12の削除モードでジャンクションを削除します。(削除対象を右クリックして削除を選ぶことや、削除対象にカーソルを置いて「Delete」キーでも削除可)

回路図13

すべての部品同士をワイヤーで正しく接続できるまでこの作業を繰り返します。配線途中で間違えたところに配線した場合は先述のジャンクションの削除と同様に配線を削除してください。また、コネクタやICなどで端子を未接続のままにする場合は、図2の→9の「空き端子フラグ」を未接続の端子に配置します。

 また、配線を始めたから部品を移動する場合は、接続した配線を維持したまま部品を移動する「ドラッグ」と、接続した配線を無視して部品のみを移動する「移動」を使い分けるとよいです。


すべての配線の接続が終われば次は、回路図の各部品に番号を割り当てるアノテーションという作業を行います。図2の↑2をクリックして「回路図をアノテーション」を開きます。


回路図14

基本的に初期設定のままで問題ないので下部の「アノテーション」をクリックしてアノテーションを実行します。

回路図15

アノテーション作業は取り消しができないというメッセージが出るので、確認して「OK」をクリックするとアノテーションが実行されます。

アノテーション後に回路図を変更してパーツが増えた場合は再度アノテーションを実行してください。また、状況次第で一度アノテーションクリア、再度アノテーションをすれば、再度部品の番号がきれいに並ぶという使い方もできるので、使い分けをおすすめします。

 

各番号に部品番号が振られたら、描いた回路図に電気的な異常がないかどうかの確認を行います。図2の↑3「エレクトリカルルールチェック」をクリックして「エレクトリカルルールチェック(ERC)」を開きます。

回路図16

下部の「実行」をクリックするとエラーチェックが始まり、問題個所があれば自動的に警告またはエラーが出てきます。


回路図17

サンプルのような回路でチェックを実行するとこのようにエラーメッセージができます。図の上2つのエラーは電源端子に「PWR_FLAG」が配置されていないため起きるエラーです。図2の→6の「電源ポートを配置」から下図のような「PWM_FLAG」を電源とGNDに接続することで解決します。

上から3つ目のようなエラーはピンがどこにも接続されていないときに出るエラーです。一番下のエラーはラベルを配置したときに、そのラベルがどことも繋がっていないときに出るエラーです。
回路図5

 

他にも、各パーツのピンの設定が「不特定」になっている場合には下のように「ピン間の衝突問題」といったエラーが表示されることもあります。この対策は次回紹介します。

 回路図19

また、絶対にやっていはいけない例として、出力ピン同士をつないだ場合などにもエラーが表示されると思います。

 

ERCで出たエラーを解決または問題ないと判断できた場合は回路図作成の最後の作業である「ネットリスト」の生成に移ります。これはプリント基板を描くソフトウェアに部品のリストや接続情報などを送り出すためのファイルを生成する機能です。

24「ネットリストの生成」をクリックして「ネットリスト」を開きます。
回路図20

KiCadのプリント基板エディタはPcbnewなのでそのまま右の「生成」をクリックしてネットリストを生成します。保存先はデフォルトのままで大丈夫です。

これで、回路図の作成は完了です。

KiCadは大変高機能なのでここで紹介した機能以外にも多数の機能があると思います。それらは使いながら慣れていけばよいと思います。(筆者もとても使いこなせてないので…)

 


最後におまけとして、筆者がインバータの第2弾の企画で設計したステッピングモータから音楽を鳴らす基板の回路図を載せておきます。実用的な回路の場合はこれくらいの規模の回路になることもよくあると思います。

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KiCad編 第1回 KiCadの初期設定

2019/12/25
KiCad5対応の記事を公開しました。
http://blog.handen.net/archives/21338893.html
一旦目次にリンクしますので読みたいページを選択してください。

2018/9/23追記
KiCad5.0移行に伴い以下のやり方ではうまく設定できない場合があります。
筆者の環境ではバージョンアップ後ライブラリ設定ファイルをクリアしても既定でローカルのライブラリを参照する設定になりましたが、環境により既定では以下の説明のように「GitHub」になっていて、以下の方法で変更してもライブラリ名の違い等で動作しない場合があるようです。その場合はいったんすべてのライブラリを削除してから再登録をしてください。

前回まではハードウェアの部品選定についてのお話をしてきましたが、今回からは選定した部品から回路図を作成し、プリント基板のデータを作成するための
CADのお話をしていきたいと思います。

回路図やプリント基板のデータを作成するツールは少し前まではEagleBsch3v+PCBEなどしかありませんでしたが、無料版ではサイズ制限があったり、回路図とプリント基板エディタで連携ができないなど不便な点がありました。しかし近年ではKiCadというフリーでサイズ無制限で回路図作成からプリント基板のデータ出力まで統括してできるツールが登場しました。今回はこのKiCadを使って回路図作成からプリント基板のデータ出力の手順を紹介していきます。

 

ちなみに、KiCadはオープンソースのソフトウェアで部品のデータなどを作ったものをみんなで共有できる機能があるので、部品のデータが非常に豊富であることや、プリント基板のデータを作成したときに3Dで出来上がった基板の雰囲気を見られることで製作のモチベーションを保ちやすいといった特徴があります。

 

まずは、KiCadをインストールする方法を紹介します。

1.KiCadのダウンロード

http://kicad.jp/」にアクセスし、ページ右側の「ダウンロード(本家のミラー)」のところから使用環境に応じたKiCadをダウンロードします。(容量注意700MB以上)
ダウンロード

使用しているパソコンが32bitOSの場合は上から3つ目のWin 32bit 64bitOSの場合は一番下のWin64bitをダウンロードします。

ここで注意しなければならないことはページ左側の記事(執筆時点では「KiCad4.0.1安定板リリース!」)の中にあるリンクからダウンロードしないことです。記事の方は古いバージョンのリンクが貼られていて、ここからダウンロードすると古いバージョンのKiCadがダウンロードされ、内蔵されている部品データが少ないなど使用時に不便を生じることがあります。

 

2.KiCadのインストール

ダウンロードしたファイルを実行するとインストールウィーザードの画面が表示されます。
インストール1

インストールの画面は英語になっていますが、インストール後は日本語になるので気にせずNextをクリックして次に進みます。
インストール2

次はインストールするコンポーネントの内容を選ぶ画面ですが、オフラインで使用することも考慮してフットプリントライブラリなどを含めてすべてチェックを入れたままNextをクリックして次に進みます。
インストール3

最後は、インストール先の設定ですが、特に理由がない限りそのままでInstallをクリックしてインストールを開始します。ここで設定を変更した場合は、後でライブラリの設定の際の参照先も変更になるので注意してください。

 インストール4

インストールが終わったらFinishをクリックして終了します。部品の3Dデータを作成・編集したいなどがあれば、出てきているチェックボックスにチェックを入れてソフトウェアをインストールできますが、基本的に使うことは少ないと思いますのでここでは省略します。

これでインストールは完了です。

 

次に、初期設定としてKiCadをオフライン環境で使用できるようにする方法を紹介します。KiCadは初期設定でフットプリントというプリント基板を作成するときの部品の形のデータをGitHubという製作物などを共有するシステムに取りに行く設定になっています。そのため、オフラインのパソコンやプロキシが掛かった環境ではフットプリントを参照することができません。この状態では後々問題が発生するのは明らかですので、まずはこの問題を解決したいと思います。

デスクトップのアイコンをクリックしてKiCadを開きます。

 アイコン

KiCadを開くとこのような画面が表示されます
トップ画面

インストール直後の状態では何もできないので、とりあえず↑1の新規プロジェクト作成をクリックして、設計する基板に応じた適当なファイル名を入力したうえで「保存」をクリックします。
初期1

すると、空のディレクトリ内にファイルを作成することを勧めるメッセージが出てくるので「はい」をクリックします。こうすることで後々の設計段階などでファイルの管理がしやすくなります。

その後このような画面が表示されます。
初期2
1は回路図を描く回路図エディタ (Eeschema)、↑2は回路図の部品を作成するコンポーネントライブラリエディタ、↑3はプリント基板のデータを作成するプリント基板エディタ(Pcbnew)、↑4はプリント基板のフォットプリントを作成するフットプリントエディタです。ほかにも機能がありますが、プリント基板を作成するうえでは必須ではありません。使うとすれば電卓のアイコンの回路の計算を行うPCB calculator ぐらいかなと思います。

機能の紹介はこの程度に置いておいて、初期設定の続きです。
4のフォットプリントエディターを起動します。


初期3

このような画面が表示されるので、↑の設定メニューを開きます。

初期4

設定メニュー内の←フットプリントライブラリの管理をクリックします。

初期5

1で示したプラグインの種類が初期設定では←2のようにGithubになっているので、←1のようにKiCadにすべて変更します。

初期6

Githubのところをクリックすれば選択肢が出てくるのでその中から選びます。

変更箇所が大量なので面倒な場合は←3の場所の設定ファイルをサクラエディタ等で開き「Github」を「KiCad」に置換して保存すれば楽に変更できると思います。(大文字小文字の区別が必要)

次に設定メニューの環境変数の設定を開きます。

 初期7
初期9
矢印で示した「KIGITHUB」のパスを「https://github.com/KiCad」から「C:\Program Files\KiCad\share\kicad\modules」に変更します。図のようになっていればOKです。その後「OK」をクリックして設定を終わります。

 最後にメニューバーの虫眼鏡のアイコンのフットプリントビュワーを開く(図中↑)をクリックして、フットプリントが正しく開けることを確認します。

初期9
初期10

以上でオフライン環境でのKiCadのフットプリントを開けるようにする設定が完了です。あとは回路図を描いて、プリント基板の設計を始めるだけです。

回路編 第10回 整流回路

今まではVVVFの要の部分である半導体スイッチの関連のお話をしてきましたが、今回は自作VVVFの電源となる整流回路のお話をしたいと思います。

 

整流回路交流を直流に変換するための回路です。搭載する部品は基本的にはダイオードとコンデンサとなるので、回路としてはシンプルです。ダイオードの代わりに半導体スイッチを使い、入力の波形に応じてON/OFF制御することも可能ですが、主にVVVFを逆動作させる場合や、大電力の場合で使われ、電子回路レベルでは基本的に使わないので省略します。今回は基本的な整流回路の種類について紹介して、それに取り付けるコンデンサの容量についても紹介します。

 

半波整流回路

整流回路の中で最も簡単な回路です。初めに、コンデンサをつけていない場合の回路図と出力の波形を見てみましょう。

半波整流回路図

右の+-が中に入った〇が交流電源を表しています。(本来の記号は〇の中に~ですがご了承ください)そして抵抗器が負荷を示しています。すなわち、抵抗器の両端が出力電圧というわけです。

入力波形と出力波形を見ます。

半波整流

黒線が入力の正弦波の電圧波形、青線が出力の電圧が波形です。完全な理論値での波形の場合出力波形で電圧出力時は入力波形の0Vより上の部分と全く同じになりますが、今回はシミュレータにかけたため少しなまった波形になっています。

この回路では入力の電源の半分しか出力されていないため、無駄が多いうえに、出力が0Vの間が長く続くため、一定の電圧出力にするためには大型のコンデンサが必要となります。そのため、この回路は小型省電力の場合に使われます。

一般的に整流回路としてよく使われるのが次に紹介するダイオードブリッジを使った方法です。

 

全波整流

 全波整流はダイオードブリッジを使うことにより交流の波形すべてを出力可能にしたものです。回路図は以下のようになります

全波整流回路

回路図のようにダイオードブリッジの中間点から交流を入力すれば、ダイオードのカソードから+ アノードから-の直流が出てきます。

 全波整流

入出力の波形はこのような感じになります。短波整流では交流波形の正の部分しか出力されなかったのに対して全波整流では負の部分も正の向きに変換されて出力されます。このため電力を効率よく使用できます。また、電圧が出力されない期間がほとんどないのでコンデンサの容量を減らすこともできます

 

整流回路のコンデンサ

次に半波整流と全波整流でコンデンサを搭載した場合の波形を見てみます。

今回は半波整流・全波整流ともに470uFのコンデンサを取り付けた場合を仮定して波形を出しました。なお、負荷抵抗は100Ω、入力電圧の実効値は100Vとします。

半波回路C
全波C回路

コンデンサは図のように負荷に並列に接続しています。

この回路の出力波形は以下のようになります。


半波C
全波C

この波形からも同じ容量のコンデンサを接続した場合でも全波整流の方が、明らかに電圧変動が少ないことがわかります。

 

コンデンサの容量計算

次にコンデンサの容量の目安の計算を紹介します。

コンデンサの電圧と電流の関係は以下の式で表すことができます。
式1

の式を変形してコンデンサ容量の式にします。

式2

ここで電圧変動「dV」をリップル、つまり出力波形の許容電圧変動とします。また、電圧変動の時間「dt」を先ほどの整流波形の最大値の間隔、つまり60Hzの交流の場合半波整流で1/60[s] 全波整流で1/120[s]と考えます。これによって、コンデンサ容量の計算ができます。

 

倍電圧整流

VVVFを作る場合基本的にモータは3200Vのものが多いです。しかし、家庭用の電源は100Vであるため、電圧を上げる必要がります。トランスを使う方法もありますが、それを使わずに整流回路で電圧を倍できる倍電圧整流というものがあります。倍電圧整流の回路図は以下のようになっています。

倍電圧回路

この回路の考え方としては半波整流を2つ用意し、そのうち1つだけ向きを逆にして直列につないだ形といえるでしょう。その結果、正の向きの波で上側のコンデンサを充電し、負の向きの波で下側のコンデンサを充電されます。そしてこの2つのコンデンサが直列につながれているため倍の電圧が出力されます。次に出力波形を見ます。

倍電圧

初期の波形の形が少しややこしい波形となっていますが、0Vを基準にして入力電圧の倍程度の電圧が出力されていることがわかると思います。

全波整流や半波整流では出力電圧が約140Vでしたが倍電圧整流ではその倍の280Vが出力されていないことが波形からわかります。この理由は、倍電圧整流の2つのコンデンサが充電されるタイミングが半波分ずれるためです。そのため、充電された側のコンデンサがある程度放電されたときに、もう片方のコンデンサが充電されます。結果として最大電圧が280Vとなりません。なお、コンデンサの容量を大きくすることで改善が可能です。

ここで先ほどの倍電圧整流のコンデンサ容量を4倍にした波形を見てみます。
倍電圧改善

これによって出力の最低電圧が全波整流の倍の電圧となり最大電圧もほぼ280Vとなりました。

PS.起動時に入力電圧程度の出力が出ているのは、初回は上の回路図の下側のコンデンサが充電されていないためです。

 

倍電圧整流のコンデンサの容量計算

コンデンサの容量の計算式は全波半波整流と同じ数式を使います。なお、コンデンサが直列に接続されているので実際に使うコンデンサは計算結果の倍の容量のものを使わなければなりません。これらを考慮して計算すると、全波整流と電圧変動を同じに抑えると、電圧変動の時間が2倍・直列による容量半減により、全波整流の4倍の容量のコンデンサが必要といえます。

 

コンデンサの容量計算の例

60Hzの交流を入力し、1Aの電流を流し、電圧変動を10Vに抑えるとします。すると以下の式で計算できます。

全波整流
式3
倍電圧整流

式4

回路編 第9回 トランジスタ

いままで半導体スイッチとしてMOSFETIGBTのお話をしてきましたが今回はもう1つの半導体スイッチトランジスタについてのお話をしたいと思います。

 

トランジスタはVVVFなどのデジタル回路ではスイッチとして使用されている部品ですがアナログ回路では電流増幅器などとして使用されます。トランジスタが関係するアナログ回路でメジャーなものと言えばオーディオ回路やラジオなどがありますが今回はここがメインのお話ではないので省略します。

近年ではパワー素子としてトランジスタが使われることは少なくなりました。しかし、今でも電子回路内でのスイッチとして使われることは多少あります。そのため、簡単ではありますがトランジスタの使い方の紹介をしたいと思います。

半導体スイッチの回でもお話したようにトランジスタというのは電流でON/OFFを切り替える電流制御の素子です。ベースに流した電流のhFE倍の電流がコレクタに流れます。  

 

トランジスタの周辺部品の選定

ここで初めにトランジスタを単純にスイッチとして使う場合の回路図を示してみます。

1

ここだけだとMOSFETIGBTの駆動回路とほぼ同じように見えます。しかし、ベース抵抗の求め方が今までとは全然違います。トランジスタのベース抵抗は以下のような手順で求めます。

2

コレクタに流れる電流は設計上で決めておき、その電流値と増幅率からベースに流す必要のある電流が求まります。しかしこの値は最低限度の値であり、このベース電流値ではトランジスタでコレクタに流れる電流を制御することになり、スイッチとして使用するのには適切とは言えません。また、部品の誤差などで場合によってはコレクタに流せる電流が設計値より小さくなるほか、トランジスタでの損失も大きくなる場合があります。そのため、ベースには少なくとも先ほど計算した電流の倍の電流を流すべきと言えます。これより許容できる最大の抵抗値は以下の式で求まります。

 3

実際に抵抗器を選定する際は、これより低い値の抵抗値を使います。なお、スイッチとして使う場合トランジスタを飽和領域で使うのが最適なので、前段回路が許容できるなら少し多めにベース電流を流す、つまりベース抵抗の値を下げると良いでしょう。

 

次にプルダウン抵抗ですが、こちらはプルダウン抵抗なので10kΩ程度を取り付ければ大丈夫です。また、トランジスタの場合はベースが電流駆動という仕様上ベースがハイインピーダンスになることがないのでプルダウン抵抗を省略しても大丈夫です。あくまで保護回路です。

 

増幅率の確保

次は、増幅率hFEの大きさについてのお話です。増幅率が高ければ少ない電流でスイッチを駆動できます。しかし、基本的に容量の大きな素子では一般的にhFEが低いという問題点があります。増幅率の目安としては、小信号用のトランジスタは増幅率が百から数百程度あり、大電流に耐える大型のトランジスタは百に満たない素子が多いです。そのため、大電流に対応する半導体スイッチを動かすためにはベース電流も多く必要になります。

そこで増幅率を稼ぐためにトランジスタの前段にさらにトランジスタを接続するダーリントン接続と呼ばれる回路を組むことがあります。ダーリントン接続の回路図は以下のようになります。

4

回路としては、トランジスタのベースにトランジスタを付けた単純な回路です。これによって増幅率の近似はTr1の増幅率とTr2の増幅率を掛け合わせたものになります。

なお、厳密な増幅率は以下のように求めます。

 5

厳密な計算としてはこのような計算ができますがややこしさに対して計算結果の差がそこまで大きくないです。例としてTr1の増幅率が100 Tr2の増幅率が20として計算をしてみます。単純な掛け算、正式な計算の順です。
6

しかし、このように複雑な計算を行い算出した厳密解と近似の計算の誤差はあまり大きなものではありません。そのため、増幅率の重要度が低い場合は近似式で計算しても問題ないでしょう。

 

近似と厳密解の計算例

例としてTr1の増幅率が100 Tr2の増幅率が20として計算をします。単純な掛け算、正式な計算の順です。
キャプチャ


計算結果としては5%程度の誤差がでましたが、実際のパワー回路の設計では素子の増幅率のばらつきの方が大幅に大きいので特に気にする必要はありません。

 

今回説明したダーリントン接続のトランジスタを1つのモジュールにしたものもあり、それをダーリントントランジスタと言います。このダーリントントランジスタは増幅率が高く耐電流も比較的大きいという特徴があるのでこのトランジスタが使える範囲ではダーリントントランジスタを使えば楽に回路を組むことができます。

トランジスタで大電流の回路を組む場合はこのようにダーリントン接続を使用して順次電流値を高めて大電流をスイッチング可能にします。なお、MOSFETIGBTと違い前段回路をトーテムポール回路にしなくてもよいのがメリットともいえるかもしれません。

 

トランジスタの選定方法

基本的にはIGBTに準じた計算方法で選びます。耐圧と耐電流が実使用する電圧・電流を満たしていることはもちろん発熱に対する損失も計算する必要があります。基本的に損失は順方向電圧降下と電流の積とスイッチング損失なのでIGBTの損失計算と同じように計算できます。なお、スイッチング速度が遅いのでスイッチング損失はIGBTに比べると非常に大きな値となります。

 

おまけ

アナログ回路でのトランジスタは電流増幅器として使われますので、目的の電流増幅率に応じてベース抵抗等を求める必要があります。また、トランジスタの増幅率のばらつきによる回路の性能差抑えるために、半固定抵抗を用いる場合も多いです。

トランジスタには今回紹介したエミッタをGNDに接続するエミッタ接地のほかに、コレクタを接地するコレクタ接地やベースを接地するベース接地などいろいろな使い方があります。

回路編 第8回 ゲートドライバ

ゲートドライバICの使い方を記事を新たに書き直しました。
http://vvvf.blog.jp/archives/6572197.html

こちらの方が図が多くわかりやすいかなと思います。

ゲートドライバICの機能

ゲートドライバICは名前の通りMOSFTIGBTのゲートを駆動するためのICです。内部の出力部には前回紹介したトーテムポール回路が内蔵されているほか、デッドタイムの自動挿入機能(一部非対応のものあり)ゲート駆動電圧の生成機能です。つまり、このICがあれば1つのゲート駆動電源ですべてのスイッチのゲート駆動ができてなおかつ高価なトーテンポール回路を内蔵したフォトカプラも不要というわけです。

 

ブートストラップ昇圧の仕組み

ゲート駆動の昇圧機能の仕組みと注意点の紹介をします。ゲートドライバICに内蔵されている昇圧機能は、ブートストラップと呼ばれるチャージポンプの一種です。

原理は、コンデンサに電荷を貯めてそのコンデンサに貯めた電荷を電源と直列に繋ぎ変えることで電圧を上げます。ゲートドライバICの場合はMOSFETがオフの時にコンデンサに電荷を貯め(充電)て、ONの時には充電されたコンデンサをゲートソース間に接続し、ゲート駆動電源にします。

これにより、1つのゲート駆動電源ですべての半導体スイッチを駆動できます。しかし、この原理上1つ問題があります、それはコンデンサに充電する時間を設けないとゲート駆動ができないということです。つまり、ハイサイドのMOSFETをずっとONにしているとコンデンサへ充電することができないので、ある程度の周期でハイサイド側をOFF・ローサイド側をONにする必要があります。(MOSFETIGBTのゲートは絶縁されているのでONになったあとは電流が流れないように思えますが、実際には半導体スイッチやゲートドライバ等の漏れ電流で多少の電流が流れます)つまり、特殊な回路を組まない限り常時ONが必要な回路では使用できないというわけです。

この点を理解したうえで回路設計を行う必要があります。

 

ゲートドライバICの選定方法

メインとなるゲートドライバICにもいろいろな種類があります。ハイサイド側・ローサイド側両方のスイッチを駆動できる製品のほか、昇圧機能を持たずローサイド側のみを駆動できる製品もあります。また、ハイサイド側・ローサイド側を独立してして駆動できる製品もあれば、入力信号のHLでハイサイド側・ローサイド側のON/OFFが切り替わる製品もあります。ですので用途に応じて選ぶ必要があります。

今回はハイサイド・ローサイド両対応でそれぞれ独立して駆動できるIR2110を使用します。なお、この製品にはハイサイド・ローサイド切り替え時のデッドタイムの挿入機能はありません.

データシートのURL:

https://www.infineon.com/dgdl/ir2110.pdf?fileId=5546d462533600a4015355c80333167e

英語ですが何とか読み解くことができるとは思います。

 

周辺回路の部品の選定

何もない状態では、周辺回路に何が必要かというのもわかりにくいのでデータシートに必要な回路図をデータシートから引用します。

IR2110

ゲートドライバICの周辺回路はこの回路図のように組む必要があります。

入力側(左側)のコンデンサはIC周辺に良く取り付けるパスコンですので、0.1μFから1μF程度のものを取り付けます。

右下のコンデンサは次にIRの資料を読み解くと次に紹介するブートストラップコンデンサの10倍の容量のコンデンサを取り付ける必要があると書かれています。ただし、パスコンとして扱って0.1~1μF程度のコンデンサを取り付けても、安定性や特性を除くと回路としての動作は確保できます

右上のコンデンサはブートストラップコンデンサです。ハイサイド側MOSFETのゲート駆動に使う電力はこのコンデンサにため込みます。そのため、計算を行ったうえで容量を出す必要があります。

 

ブートストラップコンデンサの容量計算

ブートストラップコンデンサの計算方法はゲートドライバICを製造しているIR社から分かりやすい資料が出ているのでこれをもとに計算します。

まずはURL

https://www.infineon.com/dgdl/Infineon-dt98-2j.pdf-AN-v01_00-JA.pdf?fileId=5546d46256fb43b3015756f4cf4643fb

この資料のpage2 の式1にこのコンデンサの最小電荷の計算式が書かれています。

 ir2110 式1 

この式でコンデンサの最小電荷量が求まります。ここで注意が必要なのがハイサイドスイッチのゲート電荷量です。これはゲート容量と異なるので注意が必要です。ゲート容量は単位が[pF]などのファラッドですが、ゲート電荷量は単位が[nC]などのクーロンとなります。データシートを読むとMOSFETの場合は大体データシートにゲート容量と合わせてゲート電荷量が書かれていますが、IGBTの場合書かれていない場合が多いです。この場合はゲート容量からQ=CVの式で算出できますが、MOSFETのデータシートを読むとゲート電荷量の方が倍程度大きい場合がありますので今回はQ=CVの式を2倍にした以下の式で近似を行います。

 ir2110 式2

これにてブートストラップコンデンサの必要な電荷量が求まりました。これを必要な要領に変換しますが、資料にも書かれている通り電荷が完全に0になるとゲートをONにできなくなるなどの不具合が発生するため、ここで計算した容量の最低2倍以上の容量が必要となります。このことを考慮したうえの式がpage3の式2です。ここでは上で計算した値を用いた計算式を紹介します。ir2110 式3

この式で最低限のコンデンサの容量が求まりますが、資料に書いてある通り容量の小さいコンデンサを使用すると過充電などが発生しゲートドライバICにダメージを与える場合があるので、大体15倍程度した容量以上のコンデンサを取り付けるとよいでしょう。

また、各パラメータは最悪の状態(周波数だとVVVFの場合非同期のPWM最低周波数or同期モードでの波形の最低周波数、その他のパラメータはデータシートにおける最悪値)で計算を行います。また、電解コンデンサを取り付ける場合は並列にパスコンを入れる必要があります。

 

ブートストラップダイオードの選定

重要な項目としては先ほどの資料に書かれている通りです。

・逆耐圧Vrrmが主回路の電圧以上であること

・最大逆回復時間が 100ns以下であること

・順方向電流IQbs(ゲート電荷量)×fmax(最大動作周波数)以下であること

を満たしているなら問題ありません。基本的に特性の良いファストリカバリダイオードを使うと良いでしょう。

 

ゲートドライバICの内部構造

ゲートドライバICの内部の回路は以下の回路で構成されています。データシートから引用しています。

ir2110回路図

左側の入力端子からプルダウン抵抗、シュミットトリガNOT回路、論理回路(RSFF3入力NOR)、レベルシフタ回路とありハイサイド側はさらにレベルシフタ回路やフィルタ回路等を挟みトーテムポール出力、ローサイド側は遅延回路等を挟みトーテンポール出力となっています。ちなみにシュミットトリガ回路というのは入力のHLの閾値を超えた時のみにHLが切り替わる回路で入力が高速に切り替わることなどを防いでくれます。RSFFは入力信号の保持を行っています。ここではあくまで紹介ですので、詳しくは各回路の名前で検索してください。


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