モータの鳴らし方byHanDen

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2017年10月

KiCad編 第6回 プリント基板エディタPcbnewの使い方 その2

前回はデザインルールの設定まで紹介しましたが、今回はその続きであるネットリストの読み込みから始めていきます。

 

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上部のツールバーの「ネットリストの読み込み」(図1の↓6)をクリックして「ネットリスト」を開きます。

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初回のネットリスト読み込みの際は特に設定の変更をせずに、右側の「現在のネットリストを読み込む」(図の→)をクリックしてネットリストの読み込みを始めます。
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ネットリストの読み込みをする際に、変更ができないというメッセージが表示さるので「OK」をクリックします。(ネットリストを読み込んだ後は、読み込む前に戻ることもできませんので注意してください)回路図エディタでフットプリントを正しく設定していた場合は特にエラーがなく終了します。

回路図エディタで正しくフットプリントの設定ができていない場合、「メッセージ」に下図のようなエラーが表示されます。この場合、Eeschemaでエラーが表示されたコンポーネントのフットプリントの設定を修正して、再度ネットリストを出力し、Pcbnewで読み込みをします。
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次に、基板作成中の仕様変更などでネットリストを再度読み込むときの設定方法を紹介します。
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一度目にネットリストを読み込むときは各種設定の変更は必要ありませんでしたが、再度読み込む場合は、状況に応じてそれぞれの設定を変更する必要があります。

フットプリントの選択:仕様変更を行ったあと、回路図エディタでアノテーションを削除して再度アノテーションを実行した場合などリファレンス(部品の番号)が変更された場合「タイムスタンプ」を選択する必要があります。

フットプリントの交換:回路図エディタで部品のフットプリントの変更を行った場合は「変更」を選択する必要があります。

未接続配線:配線の接続先が変わった際に以前に配線されていた配線を削除する機能です「削除」にすると接続が変わった配線が削除されますが、状況次第で削除されない場合もあります。

ネットリストに無い部品:仕様変更により回路図から削除されるなどネットリストから消えた部品を削除する場合は「削除」を選択します。ただし、固定穴などPcbnew上で追加した部品も削除されるので注意する必要があります。ただし、後述の「フットプリントのロック」を行った場合は削除されません。

孤立したパッドやネット:配線が接続されず孤立してしまったパッドのネットを削除する機能ですが使うことはないと思うのでそのまま「保持」にしておきます。

状況に応じてこれらの設定を使い分けたうえで「ネットリストの読み込み」を実行するようにしてください。間違えた場合は非常に手間がかかることになるので注意が必要です。

 

ネットリストの読み込みが完了すると、下図のように読み込まれたフットプリントが固まって表示されます。このままでは作業しにくいのでまずはフットプリントの展開を行います。
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まずは、フットプリントモード(図1の↓9)をクリックしてフットプリントの自動配置の機能を有効化します。

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次に何もないところで右クリックをして「グローバル移動/配置」、「全てのフットプリントを展開」(図の←2)をクリックして、フットプリントの展開を実行します。
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基板上のロックしていないフットプリントも移動されることを確認するメッセージが表示されるので「OK」をクリックします。

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するとこのようにフットプリントが展開されて部品の選択が行いやすくなります。

 

また、「全てのフットプリントをロック,アンロック」(先ほどの図の←1)を実行すると、フットプリントのロックおよびアンロックが可能です。フットプリントをロックすると手動と自動両方での移動が一切できなくなるほか、ネットリスト読み込みでネットリストに無い部品を削除する機能で削除されなくなります。ただし、手動での削除は制限がかかりません。また、各フットプリントを右クリックして「フットプリントをロック」(下図←)をすると個別にフットプリントのロックが可能なので、移動したくないパーツのみにロックをかけることも可能です。(ロックしているパーツの場合は「フットプリントをアンロック」になります)
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「グローバル移動/配置」のメニューには自動配置の機能もありますが、全然きれいに配置されないので使い物になりません。

フットプリントの「グルーバル移動/配置」の機能は大体この程度です。

 

次はフットプリントの配置へと進みます。

フットプリントの配置で使う機能は基本的に「移動」と「回転」と「裏返し」程度で使う機能自体は非常に少ないです。しかし、この配置が基板のすべてを決めるといってもいいくらい重要な項目で、出来上がった基板の見栄えやはんだ付けの難易度、配線の難易度などが大きく変わってしまいます。このことを考えたうえで適切な配置をする必要があります。

「移動」と「回転」は回路図エディタと同じ方法で実行できますが、ここでも復習しておきましょう。

移動は、カーソルを移動したい部品の上に置いたうえでキーボードの「M」キーを押す(または右クリック、「フットプリント〇〇」「移動」を実行する)と移動が始まります。フットプリントを移動したい移動先に移動させたら、その位置でクリックして移動を完了させます。(キーボードは半角モードにしていないと反応しないので注意してください)
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回転はカーソルを回転したい部品の上に置いたうえでキーボードの「R」キーを押す(または右クリック、「フットプリント〇〇」「左に回転」を実行する)で左向きに90度回転します。(右クリックで「右に回転」を選んだ場合は右に90度回転)また、移動中に「R」キーを押して回転させることも可能です。この場合連続して回転させることもでき便利です。筆者は基本的に移動中に回転を行っています。

裏返しは両面基板において、部品を基板の表面に実装するか、裏面に実装するかを選ぶ機能です。初期の状態では表面に部品が配置されていますが、「裏返し」をすることで裏面に部品を配置することができます。方法は、カーソルを裏返したい部品の上に置いたうえでキーボードの「F」キーを押す(右クリック、「フットプリント〇〇」「裏返す」)(移動中に「F」キーを押しても実行可)と部品が裏返されて、部品の枠線などの色が裏面の色に変わります。(特に目立つのは黄の線→赤の線(下図上が表・下が裏)です。)
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これで部品が裏面に配置されました。もう一度裏返しをすると部品は再び表面に戻ります。しかし、容易に部品を裏返しにすると実装などで苦労する場合があると思うので注意してください。

 

これらの操作を繰り返して、基板上に部品を配置していきます。ここで素人ながらにも部品配置のコツを紹介したいと思います。

・回路図の配置に近い形でフットプリントを配置する

・部品同士の間はぴったりでなく少しゆとりを設ける(実際の部品で大きさが確認できる場合を除く)

ICやコネクタなど配線が多い部品の近くには場所のゆとりを大きめに設ける

・同じような部品を並べる場合は配置をパターン化する

・コネクタはできるだけ外周に寄せる

このようにすると比較的きれいで配線をしやすい部品配置になると思います。

 
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上に書いたことをある程度考慮して配置した基板がこのようになっています。

部品の配置が終了したら次は部品同士を接続する配線へと進みますが、これを書くと長くなるので次回とします。

KiCad編 第5回 プリント基板エディタPcbnewの使い方 その1 

前回までは回路図を描く方法を紹介してきましたが、今回からはついにプリント基板を描くソフトウェアPcbnewを紹介していきたいと思います。このPcbnewKiCadを使うメリットが最も生きる個所と言えるでしょう。主なメリットを箇条書きで紹介したいと思います。

・製作中の基板の完成イメージの3Dビューが見られるのでモチベーションが保ちやすいほか、部品の干渉対策やデザイン等にこだわることができる。

・回路図で接続していない個所を誤って接続することや、回路図で接続した所を接続し忘れることがない(エラーが出る)

・配線を始めると接続先がハイライト表示されて配線をしやすい

・基板製造会社のデザインルールを設定すれば、デザインルールに違反する配線ができない

・部品を移動するなどでデザインルールに違反する箇所が出た場合でもDRCを通すことで問題個所を発見できる。

・押しのけ配線などの便利な配線機能がある。

・自動配線が使用可能

ざっとこんな感じで便利な機能がたくさん搭載されています。

 

便利機能の紹介はこの程度にしておいて実際にプリント基板を作っていきましょう。
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今回は図の↑3Pcbnew」を開きます。
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起動するとこのような黒い画面が表示されます。今回は紹介するメニューが非常に多いのでツールバーを3つに分けて機能を紹介します。

まずは上部のメニューから
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1:ページ設定 プリント基板エディタの全体のサイズを設定します。プリント基板でA4を超えることはまずないと思うので、基本的にはそのままで大丈夫です。

2:プロット プリント基板製造会社に送るデータを生成する機能です。

3:現在のスクリーンを再描画 フットプリントのデータを変えたときなどに表示をすぐに反映させる機能です。基本的には自動で反映されるので使うことはないと思います。

4:スクリーンに合わせてボードをズーム 拡大しすぎたときや縮小しすぎて現在の場所がわからなくなった時に拡大率を初期の状態に戻す機能です。

5:現在の基板からコンポーネントとテキストを検索 基板上のパーツやテキストを検索する機能です。

6:ネットリストの読み込み 回路図エディタで出力したネットリストを読み込む機能です。

7:デザインルールチェックの実行 設計した基板がデザインルールに反していないかを確認する機能です。

8:レイヤー選択 基板の表裏の配線や基板印刷などのレイヤーを切り替える機能です。

9:フットプリントモード フットプリントを自動で展開、配置する機能を有効にするボタンです。

10:配線モード 自動配線を有効にする機能です。あんまり使わない機能です。

11:外部ルータFreerouterとのデータ交換 外部の自動配線ツールとデータを交換する機能です。

12:Pyhonスクリプトコンソールの表示/非表示 スクリプトを実行するためのコンソールの表示非表示を切り替える機能です。ここではスクリプトについては紹介しません。

 

次に左側のメニューです。ここは主に表示関連のメニューが多いです。
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1:デザインルールチェックを無効(有効)化 デザインルールに違反した配線を引くことできなくするリアルタイムDRCの機能の有効無効を切り替えるボタンです。理由がない限り使うことはありません。通常はこのDRCを有効状態(画像のように選択されていない状態)にします。

2:グリッドを非表示(表示) 画面のグリッドの表示非表示を切り替える機能です。グリッドがない状態は作業しにくいので通常は有効にしておきます。

3:mm(inch)単位 表示の単位を切り替える機能です。日本では基本的にmm単位で使われるのでmm単位を選択しておきます。

4:ボードのラッツネストを非表示(表示)  配線が未接続のコンポーネントの接続先同士を結ぶ線(ラッツネスト)の表示非表示を切り替える機能です。

5:フットプリントのラッツネストを非表示(表示)  コンポーネントの移動中のラッツネストの表示非表示を切り替える機能です。

6:古い配線の自動削除を無効(有効) 配線を新たに引き直した際に、以前接続されていた古い配線を自動的に削除するかしないかの切り替えです。必要に応じて切り替えて使います。

7:ゾーンの塗りつぶしを表示(非表示、アウトラインで表示) ゾーン(ベタグランドなど基板のパターンを面で作る箇所)の表示の切り替えです。好みや必要に応じて使い分けます。

8:アウトライン(塗りつぶし)モードでパッドを表示 パッドの表示をアウトラインモード(パッドのふちのみ表示)と塗りつぶしモードで切り替える機能です。基本的に塗りつぶしモードの方が見やすいと思います。

9:アウトライン(塗りつぶし)モードでビアを表示 ビアの表示をアウトラインモード(パッドのふちのみ表示)と塗りつぶしモードで切り替える機能です。

10:アウトライン(塗りつぶし)モードで配線を表示 配線の表示をアウトラインモード(パッドのふちのみ表示)と塗りつぶしモードで切り替え機能です。塗りつぶしモードの方が見やすいです。

11:ハイコントラスト表示モード 画面の表示の色合いを変える機能です。基本的に使わないと思います。

 

続いて左側のメニューです。ここは基板の中身の編集系のメニューが主です。
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1:ネットをハイライト 任意のパッド・配線を選択すると配線で接続されるべきパッドがすべてハイライト(強調)表示される機能です。

2:フットプリントを追加 回路図に無い部品を追加する機能です。主に固定用の穴やロゴなどを追加するときに使います。

3:配線とビアを追加 部品のパッド同士を接続する配線を行う機能です。

4:塗りつぶしゾーンを追加 ベタグランドなど基板全体または一定の範囲を銅箔で覆いたいときに使います。

5:キープアウトエリアを追加 部品や配線を配置することを禁止するエリアを設定する機能です。

6:図形ライン(円、円弧)を追加 基板上に図形を配置するときや基板の外形線の描くときに使います。

7:銅体層または図形層にテキストを追加 基板上に文字を配置したいときに使用します。

8:アイテムを削除 フットプリントや配線を削除するときに使用します。

9:ドリルファイル、実装ファイルの原点を設定 業者に注文するデータの原点を設定する機能です。

10:グリッドの原点を設定 画面上のグリッドの原点を設定する機能です。

 

アイコンだけでもかなりの数がありましたが、このほかにもメニューから使う機能もあってかなり複雑です。ですので、プリント基板の作成の手順は複数回に分けて紹介していきたいと思います。

 

まずは基板の大きさを決めて、基板の外形線を描きます。

まずはレイヤーを「Edge.Cuts」に変更します。
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画面右側の図のようなレイヤー表示部の「Edge.Cuts(図←)の右側の青い▶が表示された箇所(図の↑と←の交点部)をクリックするとレイヤーが切り替わります。(ほかのレイヤーに切り替える場合も同様に各レイヤー名の左の空白(↑の列)をクリックします)(上部のメニューからの切り替え(図3の↓8)も可能)

 

続いて外形線を引いていきます。外形線は直線だけでなく、曲線などを組み合わせた複雑な形にすることは可能ですが、この段階では部品を配置際の目安として引く程度ですので、基本的に直線だけで大まかな寸法で描きます。(この時点では業者の規定サイズ(同じ価格で製造できる最大サイズ)に設定するのがよいと思います。)

まず、図5の←6の一番上のツール(図形ラインを追加)をクリックして直線を描くモードに切り替えます。カーソルが鉛筆に変わったことを確認して、外形線を引き始めたい場所でクリックして、外形線を引き始めます。その際、画面右下部のカーソル座標を覚えておきます。
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カーソル座標を確認しながら、外形線の角にしたい場所でクリックします。すると外形線の一辺が作成されます。四角形のほかの辺も同様に描き、4辺すべてが描き終わる箇所(外形線の開始地点と同じ場所)でダブルクリックをして、外形線を確定させます。(ダブルクリックすると引いた線が確定される仕様なので、外形線の途中でダブルクリックをして一旦確定させて、再度終端地点から線を引くなど複数回に分けて描くことも可能です)7

図のように黄色の線の四角形ができていれば、外形線は描けています。

 

次にデザインルールの設定を行います。基本的にKiCadで作成したデータは基板製造の業者に注文することが多いと思いますが、基板製造には最低限守らなくてはいけない設計ルールがあり、それをデザインルールといます。デザインルールには最低の配線幅や配線間隔、最低のビア径などがあります。ここではその設定方法を紹介します。

まずは、「デザインルール」メニューの「デザインルール」(下図←)からデザインルールエディターを開きます。
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デザインルールエディターの上部の「ネットクラス」の中に初期状態ではクリアランスが0.2mm 配線幅が0.25mm ビア径が0.6mm ビアドリルが0.4mmに設定されています。このうちクリアランスには配線同士の間隔(隙間)とビアや穴同士や配線との間隔をすべて一括にくくったものになっています。「マイクロビア径」と「マイクロビアドリル」については4層とかの基板にならない限り使うことはないので気にする必要はありません。

ここに業者のデザインルールを入力していきますが、業者のデザインルールギリギリではうまく製造されない可能性があるので少々ゆとりを持った値を入力しておきます。推奨のデザインルールが定義されている場合はその値を入力するとよいでしょう。Elecrowに注文する場合は、「クリアランス」は0.203、「配線幅」は0.203以上の自分の希望する配線幅、「ビア径」と「ビアドリル」はデフォルトのままにしておきます。

また、電源ラインなどで配線幅を変えたい場合は配線ごとにデザインルールを設定することが可能です。
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デザインルールエディターの中ほどの「追加」(図中↑)をクリックしてデザインルールを追加します。すると「新規ネットクラス名」が表示されるのでその中に追加するデザインルールの名前(正式にはネットクラス名と言います)を入力します。
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すると先ほどの図のようにデザインルール複数設定できるようになります。新しいデザインルールには設定したい配線幅などを入力しておきます。

次に新たなデザインルールを設定する配線を選びます。「メンバーシップ」の右側(左でも可)のドロップダウンリスト(先ほどの図の→)から新たなデザインルール(変更先)を選択します。
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そして、新しいデザインルールを設定したい配線を左の配線一覧から選び、「>>>(図の←)をクリックして新しいデザインルールに変更します。変更したい配線が右側のリストに入り、クラスが変更先のデザインルール名になっていることを確認します。図では「GNDPWR」の配線が「power」のデザインルールに変更されています。

このように配線ごとに配線幅を変更することが可能です。しかし、太くする配線の名前(ネット名)を調べるのは大変です。そのため手動配線に限りますが、電源ラインなどから順番に配線を行っていき、配線幅を変更したくなった時に「デザインルールエディター」を開き、都度配線幅を変更することでいろいろな幅の配線を引くことが可能です。あくまでこのデザインルールはこれから引く配線について設定しているので、このような技が可能なのです。ちなみに、筆者はこの方法で配線をしています。

 

今回はこの程度にしておきましょう。次回はネットリストの読み込みから始めます。

KiCad編 第4回 回路図エディタEeschemaの使い方 その3 ピン設定の変更


今回は前回のPCB Parts Library からダウンロードしたコンポーネント(回路図の部品)のピン設定が「不特定」になっていて、ERCを通した際にエラーとなる現象を改善する方法を紹介します。

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まずは、図の↑2のコンポーネントライブラリエディタを起動します。

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2 起動画面

起動するとこのような真っ白な画面が表示されます。(前回に何も編集していなければ)

表示されているアイコンで今回使いそうなものを軽く紹介します。

1:作業ライブラリの選択 複数あるライブラリから自分が編集したいライブラリを選ぶ機能です。

2:新規コンポーネントを作成 ライブラリに存在しない部品を新たに作る時に選択します。

3:現在のライブラリからコンポーネントを読み込む 現在開いているライブラリの中にあるコンポーネント(部品)を開くときに選択します。

4:現在のものから新規コンポーネントを作成 現在画面に表示されているコンポーネントを新たな名前を付けて別のコンポーネントとして保存する機能です。名前を付けて保存に相当する機能と思えばよいと思います。

5:現在のライブラリ内の現在のコンポーネントを更新 ↑3で開いたライブラリを編集して上書きするときに使います。上書き保存に相当する機能です。

6:新しいライブラリへ現在のコンポーネントを保存 現在開いているコンポーネントを新たなライブラリファイルに保存する機能です。

7:重複ピンとグリッドから外れたピンのテスト 名前の通り同じ番号のピンが重複していないか、またグリッドから外れたピンがないかをチェックする機能です。

8:コンポーネントにピンを追加 作成中のコンポーネントに新たなピンを追加する機能です。

9:コンポーネントのボディーに矩形を追加 コンポーネントの枠(形)を描く機能です。

 

それでは、本題のピンの設定変更の手順を紹介しましょう

まずはピン情報を編集するライブラリを選ぶために、図2の↑1で示した「作業ライブラリの選択」をクリックして、ライブラリの選択画面に入ります。

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今回編集するのはPCB Parts LibraryからDLしたデータなので「SamacSys_Parts」(図の←)を選択して「OK」をクリックしてライブラリを選びます。

次に編集するコンポーネントを選ぶために、図23の「現在のライブラリからコンポーネントを読み込む」をクリックして、コンポーネントの選択画面に入ります。

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表示されたコンポーネントの中から編集したいコンポーネントを選択して「OK」をクリックしてコンポーネントの選択を完了させます。

 

すると編集するコンポーネントが表示されます。
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この中からピン情報を編集したいピンにマウスカーソルを合わせて「E」キーを押すか、右クリック、「ピンを編集」と進み。ピンのプロパティーを開きます。

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図の←で示した「エレクトリックタイプ」をそれぞれの端子に応じた、設定に変更します。マイコンの場合IO端子は基本的に「双方向」、電源端子は「電源入力」にすればよいと思います。特にピンの機能を特定できない場合は「パッシブ」にしたらいいと思います。そして「OK」をクリックして設定を完了させます。この設定をすべての端子で行います。(一部初期で設定されている端子もあります)

 

設定ができたら図2の↑5の「現在のライブラリ内の現在のコンポーネントを更新」をクリックしてライブラリに変更した情報を保存します。この際、変更の確認メッセージが出るので「OK」をクリックします。
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もし、ピン設定を変更したコンポーネントを別の名前で保存したい場合は、図2の↑4「現在のものから新規コンポーネントを作成」をクリックして別名保存の画面に進みます。

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「テキスト」(図←)に保存したいコンポーネントの名前を入力して「OK」をクリックします。

そして、「Ctrl+s」または「ファイル」メニュー,「現在のライブラリを保存」でライブラリを上書き保存します。ここでも先ほどと同様に変更のメッセージが出るので「OK」をクリックします。
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これで、ピン情報の変更作業は終わりです。

 

最後に簡単に新たなコンポーネントの作成方法を紹介しておきましょう。

まずは、新たなコンポーネントを追加したいライブラリを、先ほどと同じ手順で選びます。

次に図2の↑2「新規コンポーネントを作成」をクリックして新規コンポーネントの作成画面に入ります。
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コンポーネント名と回路図やプリント基板に印刷されるリファレンス名を設定して「OK」をクリックします。

すると、グリッドのみの画面が表示されるので図2の→9やその下3つの「ボディーに〇〇を追加」のメニューを使いコンポーネントの外形を描きます。また、描いた外形線上にカーソルを置き「E」キーを押すか、右クリック「〇〇のオプションを編集」(下図←)をクリックして〇〇図形のプロパティーに入ると塗りつぶしの設定ができます。初期設定では「全面色で塗りつぶし」を選択すると外形線の色、「背景色で塗りつぶし」を選択すると黄色で塗りつぶすことができます。必要に応じて使ってください。(設定メニューの「色の設定」で色を変えることもできます)

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外形が描けたら、図2の→8「コンポーネントにピンを追加」をクリックして、ピンを追加するメニューを開きます。
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ピン名にはピンの名前、ピン番号にはピン音番号(数字)、角度はコンポーネントの左に出るピンは「右」、右に出るピンは「左」、上に出るピンは「下に」下に出るピンは「上に」を選びます。エレクトリックタイプは先ほどと同じ要領で設定します。そして「OKをクリックすると、カーソルの先端にピンがくっついた状態になるので、ピンを設置したい場所でクリックして、ピンを固定します。〇がついている方がピンの先になるということには注意してください。この作業をすべてのピンが設置できるまで繰り返します。

すべてのピンが設置できたら、図2の↑7「重複ピンとグリッドから外れたピンのテスト」を実行し、エラーが出ないことを確認します。

最後に図2の↑5の「現在のライブラリ内の現在のコンポーネントを更新」をクリックしてライブラリにコンポーネントを保存します。この際、変更の確認メッセージが出るので「OK」をクリックします。

そして、「Ctrl+s」または「ファイル」メニュー,「現在のライブラリを保存」でライブラリを上書き保存します。ここでも先ほどと同様に変更のメッセージが出るので「OK」をクリックします。

KiCad編 第3回 回路図エディタEeschemaの使い方 その2 PCB Parts Library の使い方

今回はKiCadをさらに強化できるツールである「PCB Parts Library」の設定方法を紹介したいと思います。このツールはフットプリントのダウンロード機能もありますが、回路図エディタに対して特に有効なのでこのタイミングで紹介したいと思います。

 

まずはGoogleなどで「PCB Parts Library」を検索または以下のURLに飛びます

https://www.rs-online.com/designspark/pcb-part-library-jp

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図の→の「セットアップ&部品の検索」をクリックしてライブラリを入手するソフトのダウンロードページに進みます。
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図の←の「LIBRARY LOADERをダウンロード」をクリックしてライブラリを入手するソフトをダウンロードします。

ダウンロードしたファイルを解凍し、中のインストーラーを実行します。

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今回も英語のインストーラーですが気にせず、「Next」で進みます。

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インストール先を聞かれますが、特に変更する必要もないのでそのまま「Next」をクリックしてインストールを始めます。

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インストールが終わったら「Close」で画面を閉じデスクトップの「Library loader」を起動します。

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起動したら、アカウントの登録画面が表示されるので、それぞれ入力します。
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入力項目は以下の通りです。

Title:自分の敬称を選びます。MrMsDrの中から選べます。

First Name:自分の名前を入れます

Last Name:自分の名字を入れます。

Company:会社名を入れますが、個人の場合は適当に入れればいいです

Job Role:自分の職業を選びます。学生の場合はStudentsです。

County:自分の国を選びます。日本の場合はJapan |JPを選びます。

Email(User Name):自分のメールアドレスを入力します。これが次回以降PCB Parts Libraryにログインする時のユーザー名になります。

Password: PCB Parts Libraryにログインするパスワードを設定します。

Confirm Password:上のパスワードの確認入力なので上と同じものを入れます。

Public Alias: PCB Parts Libraryでの表示名です。公開されるかもしれないので個人情報は入れないほうがいいかもしれないです。

Your ECAD Tool: PCB Parts Libraryで使用するCADを選びます。今回はKiCadを利用するので KiCad EDAを選択します。

I agree to the Terms: 利用規約に同意するかの確認です。リンク先を確認して同意できるならチェックを入れます。
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すべての項目が入力出来たら「Register」をクリックして登録を完了させます。しばらくしたら登録したメールアドレスにアカウントをアクティベートするメールが届くので、メールに書かれているリンクをクリックしてアクティベートしてください。

 

登録が完了したら下のような画面になります。10
この段階ではまだ設定が終わっていないので次の設定へと進みます。図の→の「Browse」をクリックしてライブラリの保存先の設定ウインドウを表示させます。

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表示された「KiCad Settings」ウインドウの「Browse」(図の→)をクリックしてライブラリの保存先を設定します。基本的には自分のドキュメントフォルダーに保存用のフォルダーを作って指定するのがよいでしょう。

ここまで設定出来たら、Library loader上での設定は終わりです。

次はKiCadを起動します。
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2のコンポーネントライブラリエディタを起動します。

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「設定」メニューの「コンポーネントライブラリ」(図の←)からライブラリの設定画面を表示させます。

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図の→の「追加」をクリックして、Library loaderで設定したライブラリの保存先を開き、「SamacSys_Parts.lib」を開きます。そして、下部の「OK」をクリックして設定を完了させます。
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これで、回路図のライブラリの設定はできたので、コンポーネントライブラリを閉じます。
追記:新たなプロジェクトを作成した場合、コンポーネントライブラリの追加作業を毎回行う必要があるようです。

 

次にフットプリントのライブラリの設定を行います。
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4のフォットプリントエディターを起動します。
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「設定」メニューの「フットプリントライブラリウイザード」(図の←)をクリックして、フットプリントライブラリの追加ウイザードに入ります。
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「このコンピュータにあるファイル」が選ばれていることを確認したうえで、「Next」で次に進みます。

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Library loaderで設定したライブラリの保存先を開き「SamacSys_Parts.mod」を選び「Next」で次に進みます。

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そのまま次に進みます。

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インストールしたパソコンでずっと使えるように「グローバルライブラリとして設定」が選ばれていることを確認して「Finish」で設定を完了させます。これでKiCad側の設定は終わりです。

 

次にパーツのダウンロードの仕方を紹介します。

Library loaderを起動させ、下図の↑で示した「Search for Parts」をクリックします。
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Webブラウザが開き、ログイン画面が表示されるので、Library loaderの初期設定で設定したメールアドレス(ユーザ名)とパスワードでログインします。
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ログインが完了するとこのような画面が表示されるので、探したい部品の型番を→のフォームに入力して、🔍マークを押すと、部品の検索が始まります。

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検索が完了すると図のように一覧が表示されるので、自分が使用する部品をこの中から選び(主にパッケージの種類の選択になるとは思いますが)、←で示したオペアンプのアイコンをクリックして次に進みます。もし、使いたい部品が「Build or Request」となっている場合は、部品の作成のリクエストを送る画面になります。

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まずは作成されている部品のダウンロード方法を紹介します。←の「FREE DOWNLOAN」をクリックしてダウンロードを実行します。ダウンロードが終わると自動的にLibrary loaderKiCadのライブラリに追加してくれます。追加が完了したら完了したとのメッセージが表示され、ダウンロードは完了です。(筆者の環境ではダウンロードを実行するとLibrary loaderが落ちる現象が発生しています。その場合はLibrary loaderを開きなおして「Open EPW File」からダウンロードしたzipファイルを開いてインストールをすれば使えるようになります)

その後、KiCadのコンポーネント一覧にダウンロードされた部品が追加されていることを確認してください。ただし、KiCadを起動した状態でダウンロードした場合はKiCadを再起動しないと反映されません。

 また、ここからダウンロードした部品の場合はフットプリントの設定があらかじめされているので、取り付け方を変更するなどがない場合は、フットプリントの設定は不要です。

 

次に部品の作成のリクエストの送り方です。
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リクエストを送る部品を開き、赤色の←で示された「Package Category Pick One」をクリックして部品のパーケージの種類を選びます。
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一覧から最も近いと思われるものを選び、そのパッケージをクリックします。近いパッケージが見つからない場合はOtherを選びます。
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最後に←の「SUBMIT REQEST」をクリックして部品作成のリクエストを送信します。

 

PCB Parts Libraryは非常に便利なツールですが、まれにフットプリントなどのデータに間違いがあることがあります。そのため設計時には必ず使用する部品と穴間などが正しいかどうかを確認してください。

 

またPCB Parts Libraryからダウンロードした回路図の部品データでピンの設定が正しくされておらず、「不特定」となっている場合があります。その変更法は次回で紹介したいと思います。(前回の時に次回と言ったけど気にしない…)

KiCad編 第2回 回路図エディタEeschemaの使い方 その1 回路図を描くチュートリアル

前回はKiCadのインストールとオフライン環境下で使用するための設定方法を紹介しましたが、今回からは本格的に基板を設計するお話をしていきたいと思います。

最初に、初期設定の時に紹介した方法(あの時は仮の名前で設定しました)で、プロジェクトを作成しておきます。

回路図1

まずは↑1の回路図のようなアイコンをクリックしてEeschemaを起動します。

回路図2
*2 起動画面

起動するとこのような画面が表示されます。表示されたメニューについて紹介します。

1:ページ設定 回路図のシートの大きさや製作者名などを設定できます。

2:回路図の部品をアノテーション 回路図を作成した後に各部品に番号を振る機能です。
3:エレクトリカルルールチェックの実行 描いた回路図に電気的な異常がないかどうかをチェックする機能です。

4:ネットリストの生成 描いた回路図を基板設計のツールに受け渡すデータを生成する機能です。

5:コンポーネントを配置 回路図の要となる回路の部品等の配置をするツールです。

6:電源ポートの配置 電源やGNDの部品の配置を行うツールです。

7:ワイヤーを配置 部品同士をつなぐ配線を描くツールです。

8:バスを配置 複数の配線をひとまとめにしてつなぐツールです。大規模な回路にならないと使うことはないと思うので紹介はしません。

9: 空き端子フラグを配置 マイコンやコネクタ等で使用せず空きになっている端子に取り付けるフラグです。エレクトリカルルールチェックでエラーが出ないようにするために使います。

10:ジャンクションを配置 ワイヤーの交点を接続する際に使用します。

11:グローバルラベルを配置 回路図でラベルを配置したい場合に使用します。同じ名前のラベルは回路図上で接続されたとみなされるので注意してください。

12:アイテムを削除 部品や配線等を削除したいときに使います。

それでは、回路図の作成にかかりましょう。

まずは製作する回路の規模に応じてページサイズを設定します。小さすぎると配置しにくくなるので少し大きめに設定しておくといいでしょう。あとから変更することもできるので最初はそのままでも大丈夫です。

回路図3

ページ設定ができたらまずは部品の配置していきます。

2の→5をクリックして部品の選択モードに切り替えます。カーソルが鉛筆に変わっていることを確認して、部品を配置したい場所で、左クリックをします。すると、「コンポーネントを選択」ウインドウが表示されるのでその中から、配置したい部品を選びます。

回路図4

種類別に分類されているのでその中から選べます。また、←の「フィルター」のところに部品名を入力して検索をかけることもできます。

回路図5
  ちなみに、KiCadのライブラリでは画像のように同じNchMOSFETでも端子の配置順に複数登録されているものがあります。この場合は必ずデータシートを確認して使用する部品に適合した部品を選択します。(使用する部品の型番ごとにピン配置が異なる場合があるためです)部品名で端子の配置順が区別できるほか、各ピンに振られている番号で区別することもできます。画像の場合は左側の端子からゲートドレインソースの順に並んでいるMOSFETを選択しています。

なお、抵抗器やコンデンサ、トランジスタやMOSFETなどはここに登録されている部品を使用できますが、IC類ではここでは登録されていない場合があります。その場合は部品を自分で作成するか、次回紹介するRSコンポーネンツが提供している「PCB Part Library」を利用します。

必要な部品を選択出来たら、「OK」をクリックして部品を図面に挿入します。

 

部品の挿入ができたら、次は部品の型番または定数とフォットプリントの設定を行います。「Esc」キーを押して通常モードに戻った後、配置した部品上にカーソルを置いた状態でキーボードの「E」キーを押すか部品を右クリック、「コンポーネントを編集」、「編集」(図中←)と進み、コンポーネントプロパティーを開きます。
回路図6-1

ここで、回路図上で部品の定数やほかの部品と重なって表示されている場合は下図のように「明示的な選択」というメニューが出てきます。今回設定するのはコンポーネントの設定なので、「コンポーネント〇〇」のほうを選びます。(複数の「コンポーネント〇〇」が表示された場合は編集したいほうを選びます。)これ以降で同様のメニューが出てきた時も操作したいほうを選んでください。
回路図6-2

回路図6
コンポーネントプロパティーが開いたら、まず、←1の「定数」の部分に型番または部品の定数を設定します。MOSFETなど部品では型番を抵抗器やコンデンサなどの場合は定数を入力するとよいでしょう。

次に←2の「フットプリント」を選び、右下の→3で示した「フットプリントの割り当て」をクリックして、フットプリントの選択画面に進みます。

回路図7

この中から、自分が使用する部品に適合したフットプリントを選択します。

探すライブラリはICの場合は「Housings」の中に、MOSFETやトランジスタなどの場合は「TO_SOT_Packages」、抵抗器やコンデンサ、ダイオードやコネクタなどはそれぞれの部品ごとに英語名でライブラリがあるのでそれを使用します。ちなみにライブラリ名でTHTとあるのはスルーホール部品で、SMDとあるのは表面実装の部品です。このライブラリの中から、抵抗器やコンデンサなど場合は部品の大きさやピンのピッチに適したものを、IC類やMOSFETやトランジスタの場合はデータシートに書かれた、パッケージの名前と同じ名前のフットプリントを選びます。(パッケージの名前が書かれていないときは、部品の大きさなどからGoogle検索等でパッケージ名を探し当ててください)

フットプリントは種類がかなり多いですが、必ず正しいフットプリントを選ぶようにしてください。間違えると基板が完成した時に部品が入らなくなってしまいます。

もしも、この中にフットプリントが存在しない場合は自分でフットプリントを作る必要があります。その手順は後の回で軽く紹介したいと思います。

正しいフットプリントが選べたら、フットプリント名をダブルクリックして、フォットプリントを確定します。すると、コンポーネントプロパティーに戻ります。そして、「OK」をクリックしてフットプリントの設定を確定させます。

 

部品の挿入とフットプリント・型番or定数の挿入の操作を繰り返して、設計する回路に必要なパーツをすべて回路図上に配置します。ちなみに、部品はコピーすることができるので、同じパーツが複数ある場合は、フットプリントを設定したあとでコピーをすると手順を大幅に減らすことができます。

コピーの方法は、コピーしたい部品上にカーソルを置いて「C」キーを押すまたは部品上で右クリック,「コンポーネントをコピー」(図中←)を選択をクリックします。
回路図8

すると、マウスカーソルの先端にコピーされたパーツがくっつくので、部品を置きたい場所で左クリックすると。部品を配置できます。

回路図9

図ではカーソルがないですが、コピー中のパーツは少し薄く表示されています。

また、部品を右クリックしたメニューの「コンポーネントの方向」の中には回転やミラーなどがあるので、必要に応じて使うとよいと思います。(回転はキーボードの「R」キーを押しても実行可)また、「コンポーネント〇〇を移動」を選択すると(またはキーボードの「M」キーを押しても実行可)部品の位置を移動することもできます。ドラッグに関しては現時点では使用する必要はありません。(移動と同じ)
回路図10

 

部品の配置ができたら、次は部品同士をワイヤーで接続していきます。部品配置が完全に終わる前でも、部品配置がある程度進んだ段階でワイヤーの接続作業に入ってもいいかもしれません。

2の→7をクリックしてワイヤーの接続モードに入ります。

回路図11

ワイヤーの接続モードに入ったら、↑で示したような各部品のピンの先端の未接続の印(〇又は□の印)の部分をクリックしてワイヤーの接続を始めます。

回路図12

続いて、ワイヤーの反対側を接続したい部品の未接続の印の上でクリックするとワイヤー(配線)が接続され、接続された箇所の未接続の印が消えます。ここで、印が消えていない場合は配線が接続されていないので、戻って再度接続を行います。

図のOUTタグの所などワイヤーを分岐する個所では、未接続の印の代わりにワイヤーの途中をクリックしてワイヤーをワイヤーに接続をします。この際に接続のジャンクション印(下図→1のような●印)が表示されていることを確認します。もし、接続したい交点でジャンクション印が表示されてないときは、図2の→10のジャンクションの配置モードに入り、接続したい交点上をクリックしてワイヤー同士を接続します。逆に接続しない箇所で誤ってジャンクション印が表示されている場合は図2の→12の削除モードでジャンクションを削除します。(削除対象を右クリックして削除を選ぶことや、削除対象にカーソルを置いて「Delete」キーでも削除可)

回路図13

すべての部品同士をワイヤーで正しく接続できるまでこの作業を繰り返します。配線途中で間違えたところに配線した場合は先述のジャンクションの削除と同様に配線を削除してください。また、コネクタやICなどで端子を未接続のままにする場合は、図2の→9の「空き端子フラグ」を未接続の端子に配置します。

 また、配線を始めたから部品を移動する場合は、接続した配線を維持したまま部品を移動する「ドラッグ」と、接続した配線を無視して部品のみを移動する「移動」を使い分けるとよいです。


すべての配線の接続が終われば次は、回路図の各部品に番号を割り当てるアノテーションという作業を行います。図2の↑2をクリックして「回路図をアノテーション」を開きます。


回路図14

基本的に初期設定のままで問題ないので下部の「アノテーション」をクリックしてアノテーションを実行します。

回路図15

アノテーション作業は取り消しができないというメッセージが出るので、確認して「OK」をクリックするとアノテーションが実行されます。

アノテーション後に回路図を変更してパーツが増えた場合は再度アノテーションを実行してください。また、状況次第で一度アノテーションクリア、再度アノテーションをすれば、再度部品の番号がきれいに並ぶという使い方もできるので、使い分けをおすすめします。

 

各番号に部品番号が振られたら、描いた回路図に電気的な異常がないかどうかの確認を行います。図2の↑3「エレクトリカルルールチェック」をクリックして「エレクトリカルルールチェック(ERC)」を開きます。

回路図16

下部の「実行」をクリックするとエラーチェックが始まり、問題個所があれば自動的に警告またはエラーが出てきます。


回路図17

サンプルのような回路でチェックを実行するとこのようにエラーメッセージができます。図の上2つのエラーは電源端子に「PWR_FLAG」が配置されていないため起きるエラーです。図2の→6の「電源ポートを配置」から下図のような「PWM_FLAG」を電源とGNDに接続することで解決します。

上から3つ目のようなエラーはピンがどこにも接続されていないときに出るエラーです。一番下のエラーはラベルを配置したときに、そのラベルがどことも繋がっていないときに出るエラーです。
回路図5

 

他にも、各パーツのピンの設定が「不特定」になっている場合には下のように「ピン間の衝突問題」といったエラーが表示されることもあります。この対策は次回紹介します。

 回路図19

また、絶対にやっていはいけない例として、出力ピン同士をつないだ場合などにもエラーが表示されると思います。

 

ERCで出たエラーを解決または問題ないと判断できた場合は回路図作成の最後の作業である「ネットリスト」の生成に移ります。これはプリント基板を描くソフトウェアに部品のリストや接続情報などを送り出すためのファイルを生成する機能です。

24「ネットリストの生成」をクリックして「ネットリスト」を開きます。
回路図20

KiCadのプリント基板エディタはPcbnewなのでそのまま右の「生成」をクリックしてネットリストを生成します。保存先はデフォルトのままで大丈夫です。

これで、回路図の作成は完了です。

KiCadは大変高機能なのでここで紹介した機能以外にも多数の機能があると思います。それらは使いながら慣れていけばよいと思います。(筆者もとても使いこなせてないので…)

 


最後におまけとして、筆者がインバータの第2弾の企画で設計したステッピングモータから音楽を鳴らす基板の回路図を載せておきます。実用的な回路の場合はこれくらいの規模の回路になることもよくあると思います。

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ギャラリー
  • KiCad5の使い方 4章 シンボルエディターの使い方
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