このブログの名前「基本から始めるVVVFの作り方」って名前のとおり電子回路をほとんど触ったことがない人にもわかるように本当の基礎の基礎から電子回路について紹介をしていきたいと思います。ただし、電子回路に興味がない人はそっとブラウザを閉じてください。後半では高電圧を扱うので危険です。危険な回路を扱うのに興味がないなんて論外ですので…

 

電子回路のキソってことでまずは電子部品にどういうものがあるかってことを紹介していきたいと思います。

各部品の詳細はまた個別の記事にしますので…


抵抗器
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言わずと知れた電子回路では必須の部品。内部に正確な抵抗を持った電子部品です。電流制限とか分圧とか様々な使い方がありますね。写真は電子回路でよく使うカーボン抵抗です。ほかにも流せる電流の大きさに応じていろいろな抵抗器がありますがそれはまた次回

 

コンデンサ
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これも電子回路では必須の部品。内部に電気エネルギーを蓄えることができる部品ですね。

VVVFでは電力の平滑化とかノイズの除去とかに使います。使い方によっては簡単なタイマーとしても使えたりします。原理とか使い方の詳細はまた次回以降で

 

コイル
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電子部品の中の受動デバイスの
3つのうちの1つだけどちょっと地味であんまり使われない部品。電子回路で使うというと昇圧系くらいかなあーと。これもコンデンサと同じでエネルギーをためたりノイズを除去したりできる部品です。電車ではチョッパー制御の主要部品に使われていたりVVVFのノイズを架線に戻さないために使われていたりしますね

 

 

ダイオード
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端的に言うと電気を一定方向のみに流す部品。だけど、半導体の原理を応用して一定電圧を保つために使われたりいろいろな派生部品があります。

 

LED
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最近は省エネ対策で電球とか蛍光灯をLED変える動きがあるのでおそらく聞いたことないってことはないでしょう。電球は基本的に抵抗器でそこから出る熱を光に変えているのに対してLEDは電力を直接光に変えているので効率が良いというわけです。電子回路的にはダイオードの一種ですが、流せる電流とかに制限が厳しいので抵抗器で電流制限をしなければなりません。

 

トランジスタ
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アナログ回路では電流を増幅する部品として使われてデジタル回路ではスイッチとして使われる部品。VVVFでは主素子を動かすための部品に使われると程度かなと…とはいえ、初期のVVVFでは大電力に対応したパワートランジスタが使われていたりします。電子回路で使われるイメージとは違うけど、後で出てくるFETとかIGBTに比べるとパワー素子としては大電流に対応できるんですよね…

 

FET
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主にスイッチの代わりとして使われる電子部品。一応アナログ回路でも使えるはずですがあまり使わないと思われ…上のトランジスタと用途は似ていますが動作原理が違います。最近だと材料をSicにしたSic-MOSFETを使用したVVVFの電車が徐々に出てきていますね。

 

IGBT

鉄道オタクなら高確率で名前は聞いたことがあるであろう、スイッチング素子です。上のFETの大電力版として基本的に使われています。内部の構造的にはFETとパワートランジスタを組み合わせたものです。

 

サイリスタ

電子回路ではほぼほぼ使うことがないと思われる部品。これもスイッチング素子ですが特徴は他の素子に比べて大電力に耐えることです。ただし、基本のサイリスタは一度スイッチを入れるとメインの電流を切らない限り電流が流れ続けるので使いにくいです。対策としてGTOサイリスタがあってこれは電車のVVVFでも使われていた部品ですね。

 

リレー
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上の4つの半導体のスイッチと異なりこれは電磁石で動く普通のスイッチです。なので、動作も遅いしノイズも出たりします。ですが、ただのスイッチなので電流制限はあれど損失が少ないので定格以上の電力を流してもある程度耐えます。あまり、電車だと似た感じの部品である電磁接触器が使われていますね

 

標準ロジックIC
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ICの中でも電子回路で比較的よく使う論理回路などの機能が入っているIC。回路的に動いているものなので各ICの種類ごとに決められた動作しかしません…しかし、あとで紹介するマイコンに比べて動作が速い、消費電力が少ない、安いなどの利点もあります。動作を変更しない個所に使えば最適ですね

 

マイコン
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最近の電子工作では使う確率が非常に高くなった部品です。中に書き込むプログラムに応じて動作を変えられるほか、回路で処理すると非常に複雑になることも楽々と処理してくれます。PICとかAVRH8などの単体マイコンのほかにArduinoなどのマイコンボードもあり初心者でも触りやすい時代になりました。

 

オペアンプ
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演算増幅器ともいう非常に高性能な増幅器。理想的なオペアンプでは入力のインピーダンスが無限大で出力のインピーダンスが0、増幅度が無限大などの特性をもつ夢のような増幅器。後ほど紹介するセンサーの信号を増幅する際などに使われるほか、演算処理もできます。

 

定電圧レギュレータ
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安定した電圧の電源がほしいときに使う部品で、入力された電圧を一定の電圧に変換して出力する。ただし、入力電圧 > 出力電圧+2V 程度にする必要があり、電圧の差は熱として出力されるので効率が悪いです。

 

 

スイッチングレギュレータ

定電圧レギュレータでは電圧の差を熱として放出したが、これは熱として出さずにスイッチングをして電圧を上げたり下げたりします。効率は良い分、回路が複雑で高価です。

 

ヒューズ
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言わずと知れた回路保護の部品。回路に一定以上の負荷がかかると電源を遮断します。電流で切れるものや温度で切れるものなどたくさんの種類があります。また、ポリスイッチと呼ばれる自動で復帰するタイプのものもあります。

 

センサー

回路が周りの状態を識別するために使用する部品。温度センサーや電流センサー、光センサーなどたくさんの種類がある。

 

フォトカプラ
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LEDと光センサーを組み合わせた部品。入力側と出力側の間は光でやり取りされているので完全に絶縁されています。主に回路保護で使用されています。VVVFでも論理部とパワー部の分離で使用予定です。

 

水晶
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内部に水晶が入っており電圧を加えると一定の周波数の信号の出力がされます。マイコンで時間を測るための部品です。

 

コネクタ
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回路と電線、電線と電線、回路と回路などをつなぐための部品。

 

ソケット
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ICなどの部品を基板に取り付けるための部品。直接はんだ付けすると取り外しできないがソケットを介すと取り外しを行いやすくなります。