2019/11/20
KiCad5.0対応の記事を公開しました。
http://blog.handen.net/archives/20804511.html
各機能の使い方も順次投稿していきますのでしばらくお待ちください。

2018/9/23追記
KiCad5.0移行に伴い以下のやり方ではうまく設定できない場合があります。
筆者の環境ではバージョンアップ後ライブラリ設定ファイルをクリアしても既定でローカルのライブラリを参照する設定になりましたが、環境により既定では以下の説明のように「GitHub」になっていて、以下の方法で変更してもライブラリ名の違い等で動作しない場合があるようです。その場合はいったんすべてのライブラリを削除してから再登録をしてください。

前回まではハードウェアの部品選定についてのお話をしてきましたが、今回からは選定した部品から回路図を作成し、プリント基板のデータを作成するための
CADのお話をしていきたいと思います。

回路図やプリント基板のデータを作成するツールは少し前まではEagleBsch3v+PCBEなどしかありませんでしたが、無料版ではサイズ制限があったり、回路図とプリント基板エディタで連携ができないなど不便な点がありました。しかし近年ではKiCadというフリーでサイズ無制限で回路図作成からプリント基板のデータ出力まで統括してできるツールが登場しました。今回はこのKiCadを使って回路図作成からプリント基板のデータ出力の手順を紹介していきます。

 

ちなみに、KiCadはオープンソースのソフトウェアで部品のデータなどを作ったものをみんなで共有できる機能があるので、部品のデータが非常に豊富であることや、プリント基板のデータを作成したときに3Dで出来上がった基板の雰囲気を見られることで製作のモチベーションを保ちやすいといった特徴があります。

 

まずは、KiCadをインストールする方法を紹介します。

1.KiCadのダウンロード

http://kicad.jp/」にアクセスし、ページ右側の「ダウンロード(本家のミラー)」のところから使用環境に応じたKiCadをダウンロードします。(容量注意700MB以上)
ダウンロード

使用しているパソコンが32bitOSの場合は上から3つ目のWin 32bit 64bitOSの場合は一番下のWin64bitをダウンロードします。

ここで注意しなければならないことはページ左側の記事(執筆時点では「KiCad4.0.1安定板リリース!」)の中にあるリンクからダウンロードしないことです。記事の方は古いバージョンのリンクが貼られていて、ここからダウンロードすると古いバージョンのKiCadがダウンロードされ、内蔵されている部品データが少ないなど使用時に不便を生じることがあります。

 

2.KiCadのインストール

ダウンロードしたファイルを実行するとインストールウィーザードの画面が表示されます。
インストール1

インストールの画面は英語になっていますが、インストール後は日本語になるので気にせずNextをクリックして次に進みます。
インストール2

次はインストールするコンポーネントの内容を選ぶ画面ですが、オフラインで使用することも考慮してフットプリントライブラリなどを含めてすべてチェックを入れたままNextをクリックして次に進みます。
インストール3

最後は、インストール先の設定ですが、特に理由がない限りそのままでInstallをクリックしてインストールを開始します。ここで設定を変更した場合は、後でライブラリの設定の際の参照先も変更になるので注意してください。

 インストール4

インストールが終わったらFinishをクリックして終了します。部品の3Dデータを作成・編集したいなどがあれば、出てきているチェックボックスにチェックを入れてソフトウェアをインストールできますが、基本的に使うことは少ないと思いますのでここでは省略します。

これでインストールは完了です。

 

次に、初期設定としてKiCadをオフライン環境で使用できるようにする方法を紹介します。KiCadは初期設定でフットプリントというプリント基板を作成するときの部品の形のデータをGitHubという製作物などを共有するシステムに取りに行く設定になっています。そのため、オフラインのパソコンやプロキシが掛かった環境ではフットプリントを参照することができません。この状態では後々問題が発生するのは明らかですので、まずはこの問題を解決したいと思います。

デスクトップのアイコンをクリックしてKiCadを開きます。

 アイコン

KiCadを開くとこのような画面が表示されます
トップ画面

インストール直後の状態では何もできないので、とりあえず↑1の新規プロジェクト作成をクリックして、設計する基板に応じた適当なファイル名を入力したうえで「保存」をクリックします。
初期1

すると、空のディレクトリ内にファイルを作成することを勧めるメッセージが出てくるので「はい」をクリックします。こうすることで後々の設計段階などでファイルの管理がしやすくなります。

その後このような画面が表示されます。
初期2
1は回路図を描く回路図エディタ (Eeschema)、↑2は回路図の部品を作成するコンポーネントライブラリエディタ、↑3はプリント基板のデータを作成するプリント基板エディタ(Pcbnew)、↑4はプリント基板のフォットプリントを作成するフットプリントエディタです。ほかにも機能がありますが、プリント基板を作成するうえでは必須ではありません。使うとすれば電卓のアイコンの回路の計算を行うPCB calculator ぐらいかなと思います。

機能の紹介はこの程度に置いておいて、初期設定の続きです。
4のフォットプリントエディターを起動します。


初期3

このような画面が表示されるので、↑の設定メニューを開きます。

初期4

設定メニュー内の←フットプリントライブラリの管理をクリックします。

初期5

1で示したプラグインの種類が初期設定では←2のようにGithubになっているので、←1のようにKiCadにすべて変更します。

初期6

Githubのところをクリックすれば選択肢が出てくるのでその中から選びます。

変更箇所が大量なので面倒な場合は←3の場所の設定ファイルをサクラエディタ等で開き「Github」を「KiCad」に置換して保存すれば楽に変更できると思います。(大文字小文字の区別が必要)

次に設定メニューの環境変数の設定を開きます。

 初期7
初期9
矢印で示した「KIGITHUB」のパスを「https://github.com/KiCad」から「C:\Program Files\KiCad\share\kicad\modules」に変更します。図のようになっていればOKです。その後「OK」をクリックして設定を終わります。

 最後にメニューバーの虫眼鏡のアイコンのフットプリントビュワーを開く(図中↑)をクリックして、フットプリントが正しく開けることを確認します。

初期9
初期10

以上でオフライン環境でのKiCadのフットプリントを開けるようにする設定が完了です。あとは回路図を描いて、プリント基板の設計を始めるだけです。