以前はKiCad4.0.7での使い方を紹介していましたが、バージョンが上がり今は5.1.4になりました。内容の更新を含めて今回からKiCad5.1.4での使い方を紹介していきます。
回路図やプリント基板のデータを作成するツールは少し前まではEagleやBsch3v+PCBEなどしかありませんでしたが、無料版ではサイズ制限があったり、回路図とプリント基板エディタで連携ができないなど不便な点がありました。しかし近年ではKiCadというフリーでサイズ無制限で回路図作成からプリント基板のデータ出力まで統括してできるツールが登場しました。今回はこのKiCadを使って回路図作成からプリント基板のデータ出力の手順を紹介していきます。
まずは、KiCadをインストールする方法を紹介します。
1.KiCadのダウンロード
「http://www.kicad-pcb.org/」「https://www.kicad.org/」(2021/10/23追記 KiCadのドメインが変更になっています。)アクセスし、ページ中央の「DOWNLOAD」をクリックしダウンロードページに進みます.
続いて使用環境を選びます。自分の使ってるOSを選んでください。
使用しているパソコンが64bitOSの場合は上側の選択肢(白←)から32bitOSの場合は下側の選択肢(黄←)からダウンロードします。速度はおそらくCERNが速いと思います。
日本語コミュニティーのサイトもありますが更新が止まっているため、海外の公式ページからダウンロードしてください。
2.KiCadのインストールと初期設定
ダウンロードしたファイルを実行ウィザードに従いインストールを行います。デフォルトのままインストールを行えば問題ないです。
KiCadを開くとこのような画面が表示されます
インストール直後の状態では何もできないので、↑1の新規プロジェクト作成をクリックして、設計する基板に応じた適当なファイル名を入力したうえで「保存」をクリックします。空のディレクトリ内にファイルを作成することを勧めるメッセージが出てくるので「はい」をクリックします。こうすることで後々の設計段階などでファイルの管理がしやすくなります。
その後このような画面が表示されます。
↑1は回路図を描く回路図エディタ (Eeschema)、↑2は回路図の部品を作成するコンポーネントライブラリエディタ、↑3はプリント基板のデータを作成するプリント基板エディタ(Pcbnew)、↑4はプリント基板のフォットプリントを作成するフットプリントエディタです。
なお、KiCad4.0.7ではオフラインでの動作には別途設定が必要でしたが5.1では不要になりました。