今回はピン設定が「不特定」になっていて、ERCを通した際にエラーとなる現象を改善する方法と新しいシンボルの作り方を紹介します。
図4-1 起動画面
表示されているアイコンで今回使いそうなものを軽く紹介します。
↑1:新しいシンボルの作成 ライブラリに存在しない部品を新たに作る時に選択します。←4の一覧から操作した方が使いやすいと思うのでこの項目はあまり使わないと思います。
↑2:すべての変更を保存 変更を保存するときに使います。
↑3:重複ピンとグリッドから外れたピンのテスト 名前の通り同じ番号のピンが重複していないか、またグリッドから外れたピンがないかをチェックする機能です。
←4:ライブラリ・シンボルの選択 複数あるライブラリから自分が編集したいライブラリを選ぶ機能です。
→5:シンボルにピンを追加 作成中のシンボルに新たなピンを追加する機能です。
→6:シンボルのボディーにテキストピンを追加 作成中のシンボルにテキストを追加する機能です。
→7:コンポーネントのボディーに○○を追加 コンポーネントの枠(形)などの図形を描く機能です。
4.1シンボルのピンの設定変更
まずはピン情報を編集するライブラリを選ぶために、図4-1の←4で示した範囲内から編集するライブラリ(「PCB Parts Library」の場合は「SamacSys_Parts」)クリックして、シンボルの選択画面に入ります。
編集したいシンボルをダブルクリックするとメイン画面にシンボルが表示されます。
この中からピン情報を編集したいピンにマウスカーソルを合わせて「E」キーを押すか、右クリック、「編集」と進み、ピンのプロパティーを開きます。
図4-2の←で示した「エレクトリックタイプ」をそれぞれの端子に応じた、設定に変更します。マイコンの場合IO端子は基本的に「双方向」、電源端子は「電源入力」にします。特にピンの機能を特定できない場合は「パッシブ」にしたら良いしょう。そして「OK」をクリックして設定を完了させます。この設定をすべての端子で行います。(一部初期で設定されている端子もあります)
設定ができたら図4-1の↑2の「すべての変更を保存」をクリックしてライブラリに変更した情報を保存します。
もし、ピン設定を変更したコンポーネントを別の名前で保存したい場合は、図4-1の←4内の編集中のシンボルを右クリックして「名前を付けてコピーを保存」(下図←)をクリックして別名保存の画面に進みます。
そして、「Ctrl+s」または図4-1の↑2の「すべての変更を保存」でライブラリを上書き保存します。
これで、ピン情報の変更作業は終わりです。
4.2 新規シンボルの作り方
まずは、図4-1の←4で示した範囲内新たなシンボルを追加したいライブラリを選び右クリックします。
新規シンボル(上図の色付き項目)をクリックし、新規シンボルの作成画面(シンボルプロパティー)を開きます。新規ライブラリにする場合は保存先を聞かれるので保存したい場所に設定してから同様の作業を行います。
コンポーネント名(上図←1)と回路図やプリント基板に印刷されるリファレンス名(←2)を設定して「OK」をクリックします。
すると、グリッドのみの画面が表示されるので図4-1の→7の「シンボルのボディーに〇〇を追加」のメニューを使いコンポーネントの外形を描きます。また、描いた外形線上にカーソルを置き「E」キーを押すか、右クリック「〇〇のオプションを編集」(下図色付き項目)をクリックして〇〇図形のプロパティーに入ると塗りつぶしの設定ができます。初期設定では「全面色で塗りつぶし」を選択すると外形線の色、「背景色で塗りつぶし」を選択すると黄色で塗りつぶすことができます。必要に応じて使ってください。(設定メニューの「色の設定」で色を変えることもできます)
外形が描けたら、図4-1の→5「コンポーネントにピンを追加」をクリックして、ピンを追加するメニューを開きます。
ピン名にはピンの名前、ピン番号にはピン音番号(数字)、角度はコンポーネントの左に出るピンは「右」、右に出るピンは「左」、上に出るピンは「下に」下に出るピンは「上に」を選びます。エレクトリックタイプは先ほどの設定変更時と同じ要領で設定します。そして「OK」をクリックすると、カーソルの先端にピンがくっついた状態になるので、ピンを設置したい場所でクリックして、ピンを固定します。〇がついている方がピンの先になるということには注意してください。この作業をすべてのピンが設置できるまで繰り返します。
すべてのピンが設置できたら、図4-1の↑3「重複ピンとグリッドから外れたピンのテスト」を実行し、エラーが出ないことを確認します。
最後に図4-1の↑2の「すべての変更を保存」をクリックしてライブラリにコンポーネントを保存します。