7-1 面付

小さな基板を複数作る時など、複数の基板を1枚にまとめる場合は面付を行う必要があります。面付けを行うために、Pcbnewをプロジェクトを介さずに直接起動させます。(インストールディレクトリから「pcbnew.exe」を直接起動

起動したら、面付後の基板の外形寸法の枠を、「外形線」レイヤーで引きます

続いて、基板のデータを読み込みます。ファイルメニューの「基板を追加」(下図選択項目)から、面付を行う基板のデータ(*.kicad_pcb ファイル)を読み込みます。
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 基板データを読み込むと、カーソルに面付を行う基板がついてくるので、基板上の配置したい箇所に面付する基板を配置します。すべての基板の面付が完了するまで、この作業(データ読み込みと配置)を繰り返します。また、部品の移動の時と同様に回転(R」キー)なども行えます

 また、一度配置した面付を行う基板を選択(基板上でカーソルをドラッグ)すると、移動することもできます。面付を行うと、図7-1のようになります。この際に、ラッツネストの白線が表示される時がありますが、無視してください。

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7-1 面付

7-2 ガーバデータ出力

メニューバーの「ファイル」「プロット」(または上部ツールバーの「プロット」(図7-2↓))をクリックして「製造ファイル出力」ウインドウを開きます。

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7-2 上部メニュー

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7-3 製造ファイル出力

基本的には画像のように設定します。注意しておく点としては、レイヤー(図赤□)で「F.Cu」「B.Cu」「B.SilkS」「F.SilkS」「B.Mask」「F.Mask」「Edge.Cuts」が選択されていること、「ガーバオプション」の「Protelの拡張子を利用」(7-31)にチェックが入っていることを確認すればよいでしょう。また、ビア上のレジストを除去したい場合は「ビアのテンティングを禁止」(7-32)にチェックを入れます。(除去すると熱などによる長期的なビアの損傷を防げるがビアの金属部が露出する)「出力ディレクトリ」は空欄の場合は製作中のデータがあるフォルダに出力ファイルが入ります。変更したい場合は適時変更してください。そして下部の「製造ファイル出力」をクリックして基板のデータ(パターンデータ)を出力します。図ではデータのあるフォルダに作った”gerba”フォルダに入ります。

 

続いて穴のデータを出力します。「製造ファイル出力」ウインドウの下部の「ドリルファイルの生成」をクリックして「ドリルファイルの生成」ウインドウを開きます。

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7-4 ドリルファイル出力

基本的には画像のような設定にしておけば大丈夫です。確認事項としては多くの中華基板業者では穴の内側に銅箔メッキのあるスルーホール(PTH)とメッキのない機構穴(NPTH)のファイルは1つする必要があるので「PTHNPTH1つのファイルにマージ」(1)にチェックを入れます。基板業者によっては別々に出力するところもあるのでそれに従うようにしてください。また、データファイルフォーマットは「ガーバ」(2)ドリル単位は「mm(3)(先ほどのパターンデータの単位と同じ)ゼロの扱いは「小数点フォーマット」(これにしないとFusionPCBのガーバビュワーなどでバグる)にも注意してください。確認が出来たら「下部のドリルファイルを出力」をクリックしてドリルファイルを出力します。

最後に、各ウインドウの「閉じる」をクリックして終了させます。

 

これにて基板データの作成は終了ですがFusionPCBなどの業者に注文する際は一部ファイルの拡張子の変更とファイルのzip化が必要です。FusionPCBのサポートページ(http://support.seeedstudio.com/knowledgebase/articles/1176223-%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%92%E5%87%BA%E5%8A%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95)にファイル送信時の拡張子が書かれています。

pcbname.GTL:表銅箔

pcbname.GTS:表ソルダマスク

pcbname.GTO:表シルク

pcbname.GBL:裏銅箔

pcbname.GBS:裏面ソルダマスク

pcbname.GBO:裏面シルク

pcbname.TXT:ドリル

pcbname.GML/GKO:基板外形

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出力したファイルはこのようになっており、基板の外形線(拡張子.gm1)とドリルファイル(拡張子.drl)以外FusionPCBの指定する拡張子で出力されています。そのため、FusionPCBの指定する拡張子になっていない外形線とドリルファイルの拡張子を変更します。ドリルファイルは拡張子を「drl」から「txt」に、外形線は「gm1」から「gml」に変更します。(厳密には変更しなくても通るっぽいですが、公式ルールに合わせましょう)
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このようになっていれば大丈夫です。そして最後にこれらのファイルを一つのzipファイルに圧縮して、FusionPCBのサイトで注文を行います。